自民党の「裏金」体質と「逃げ」の岸田政権。(その2) | じろう丸の徒然日記

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(前回の記事の続きです。)
月刊誌『紙の爆弾』2月号に掲載された、泉田裕彦さんが暴いた裏金要求問題。
ジャーナリストの横田一さんが執筆した記事によれば、岸田文雄はこの問題でもやっぱりヤル気が無いらしい。
昨年の12月8日臨時国会代表質問で、立憲民主党の幹事長、西村智奈美さんがこの裏金要求問題について、広島における河井克行案里夫妻買収事件と重ね合わせて、「自民党総裁として事実関係を調査し、国民に明らかにすべき」と問い質した。
すると岸田文雄は、「沖縄県の事案についてお尋ねがありました」などと県名を間違えたのみでなく、「双方の主張の食い違いが生じています。まずは当事者において説明される必要がある」などと悠長なことを言ってきた。
すでに報道されている双方の主張を比べてみれば、新潟県議・星野伊佐夫泉田さん裏金を要求したのは一目瞭然ではないか。
しかも、泉田さんそのときの会話を録音した音声データまである。

 
その音声データに記録された星野伊佐夫の発言――。
「今日の話は誰も知らない」「これはまあ俺も共犯というか」と前置きしたうえで、泉田さん多額のカネを用意するよう、要求しているのだ。

(以下、引用)
「もしさ、比例で引っかからなかったら終わりだよ」
「とにかく必要経費を早くまこう。もう余裕がない。選挙が始まってからなんてバカはいない。今だ。今でも遅いぐらいだ。ここに2000万や3000万をもったいながったら人生終わるよ。そこなんだよ。
 大部分は領収書がもらえるやつだから。これね、いちいち警察に報告するわけではないのだから。これはね、早くしないと、後で悔いが残るぞ。1億や2億の話でなくなるから。そんなものではなくなるから。これ一つね、検討というか、早く実行するのだな。」
「それでね、泉田さん、2000万円、3000万円の金を惜しんで一生を投げてはいけないよ、いけないよ」

(引用、ここまで)
 
この星野県議発言を読んで、これは裏金を用意しろという要求だと思わない人はいないだろう。法律の知識が無くても、「共犯」だの「いちいち警察に報告するわけではない」だの言っていれば、誰だって良くない金の話だと判る。
選挙において当選を得る、または得させる目的をもって、選挙人または選挙運動者に金銭、物品、その他の財産上の利益を供与すると、公職選挙法違反買収罪が成立する。
上の発言は、「自民党公認候補・泉田裕彦を当選させるために、新潟五区内の有権者に現金をまこう」という主旨なのだから、買収罪に当たるわけだ。

 
泉田さんは、しっかりそのことに気がついていた。それで、「だから、あと違法行為にならないようにしないといけないので」と言って、すぐには承諾しなかった。
すると星野はこう言い放った。

(以下、引用)
「そんなものはね、そんなものはね、いいですか、ハッキリ言うよ。言葉の問題だけであって、実際はそんなの気にして報告する者なんか一人もいないからね。それと、A君(録音では実名)はこれを使うの知っているからね。(摩擦音)よろしくお願いします。こうだからね。それはすごい」
(引用、ここまで)
 
泉田さんが会見で語ったところによると、「これを使うの知っているからね」のところで星野マルを作って見せたという。
マルを作れば、それはお金を意味する。つまり「これを使う」とは「お金を使う」ということなのだ。
そして星野はおもむろに手帳を取り出すと(摩擦音はその音だろう)、「よろしくお願いします」と言いながら、それを差し出すポーズをして見せた。
要するに、札束をそんなふうに「A君」とやらに差し出せというのである。
これはまさしく、泉田さんに対する裏金要求決定的瞬間である。

 
選挙にお金がかかるのは仕方がない。
しかしながら、選挙の投開票が近い期間「政治活動費」のつもりでお金を選挙の関係者に渡したりすると、買収資金と見なされる恐れがある。
そのため自民党本部は、政治活動費を寄付するのは選挙の3カ月前までとする旨を通達していたそうだ。
星野泉田さん2000万円、3000万円の金を用意しろと言ってきたのは、すでにその3カ月前を過ぎてしまった時期だった。
つまり星野の行為は、自民党本部方針にも反しているのだ。

 
星野は、泉田さんの告発を事実無根だと言って否定していたが、その後、離党届を提出。自民党新潟県連12月27日、これを受理した。
自民党新潟県連星野離党させることで、真相を究明することなくこの問題をサッサと終わらせる所存らしい。
しかし、泉田さんは、この問題の調査を、東京地検特捜部元検事弁護士郷原信郎さんに依頼した。

(参考動画)
【郷原信郎の「日本の権力を斬る!」】
自民党泉田裕彦議員が暴露した「新潟県議の裏金要求」は、今なお続く“自民党選挙の実態”なのか?

(再生時間:15分15秒)
 
郷原さんは、「自民党的選挙」が、選挙のためのお金政治活動とが混然一体となってきたという、昔からの実態があると指摘。
岸田文雄には、自民党のこうした「裏金」体質を変えようという気持ちが果たしてあるのか?
そして野党この問題をどうするか?


泉田裕彦さん首相官邸, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons