前回の記事で、少し書き漏らしたことがある。
森友学園が購入した国有地が、鑑定評価額より8億2200万円も安くなっていたと、どうして分かったか?
豊中市議の木村真さんによれば――。
実はその土地は、もともとは豊中市が防災公園として整備しようと、国に貸与(たいよ)を打診していた。
しかし国は豊中市に対して買い取りを求めたため、仕方なく敷地の半分だけを買って防災公園を作った。
豊中市は土地を全部買うには予算が足りなかったのだ。
ところが去年、森友学園が土地の残り半分を買い取った。
それを知った木村さんが、近畿財務局に売買契約の公開請求をしたところ、土地の取引価格の欄が黒く塗りつぶされた売買契約書が送られてきた。
木村さんは驚いて、さらに売却額の公表を強く求め、その結果すべてが発覚したのである。
私の想像だが、おそらく木村さんは、ゆくゆくは土地の残り半分も買い取って、防災公園を完全なものにしたかったのではないだろうか。
森友学園が経営する塚本幼稚園では、園児に愛国心を植え付けるためなのだろう、教育勅語を素読させたり、軍歌を歌わせたりしている。
子供にそういう教育をしても、別に法律違反ではない。
がしかし、幼い子供たちにそういう教育が果たして適切であろうか?
教育勅語は、日本の伝統的な思想に基づいていると言えば聞こえはいいが、戦前の封建的な思想が根本にあり、近代的な民主主義に反している、と私は思う。
軍歌は、要は戦意高揚を目的とした歌曲であり、幼い子供たちには心の成長を歪める危険な代物ではないのか。
愛国心という美名のもとに、他の国を攻撃して傷つける歌が、子供たちに必要なのか?
ところで、1995年に、フランスの国民議会(日本の衆議院に相当する)が興味深い報告書をまとめている。
その年に日本でオウム真理教による地下鉄サリン事件が起こったのを受けて、フランスの国民議会がカルト集団に関する調査委員会を設置、徹底的に調査して、報告書をまとめたのである。
以下、その報告書を紹介しよう。
フランスの調査委員会がまとめたカルト集団についての報告書『フランスにおけるセクト』。
「セクト」とは、フランス語でカルトに相当する。
この報告書では、カルト(セクト)の本質を「新しい形の全体主義」と定義している。
次の10項目のうち、どれか一つでも当てはまるのなら、その集団はカルトと認定して構わない。
(01)精神の不安定化
(02)法外な金銭要求
(03)以前の生活環境からの隔絶
(04)肉体的損傷
(05)子供を勧誘し、教化する
(06)大なり小なり反社会的な教えを説く
(07)公共の秩序に対する撹乱
(08)裁判沙汰の多さ
(09)目的遂行のための財源確保を伝統的な経済活動から逸脱した方法で行う
(10)公権力への浸透を企てる
ちなみに、フランスでは、日本の創価学会もカルトと認定されている。
上記の10項目に基づき、フランス国内で活動している172団体がカルトと認定されたが、その中に、SGI(創価学会インターナショナル)フランスも入っていたのである。
さて皆さん、森友学園や日本会議、さらには安倍政権を、この10項目に当てはめて考えると、実に面白い結果が出ると思いませんか?
もう一度書きますが、この10項目のうち、どれか一つでも当てはまるのなら、その集団はカルトと認定して構わないのです。
ぜひ皆さん、当てはめて考えてみてください。
参考文献:
「週刊プレイボーイ」2017年3月6日号の記事「国有地を爆安でゲットした大阪「神道」学園のヤバすぎる実態 !!」
佐高信『自公政権お抱え知識人徹底批判』(河出書房新社)