昔より絶対進化しているだろう日本人の世界王者たち | 次郎長ブルース2

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ダイジェストだが、
田中恒成、中谷潤人、井上拓真、それぞれの世界戦を観る。
率直な感想、
いやあ、、素晴らしい! 3人とも!

ともない 日本人のボクシングのレベルが、俺がよく観ていた30年ひと昔前より確実に上がっているのを確信できる。
※昔との違いは一つには
アマチュアで経験を豊富に積んだ上でプロ転向し、世界王者になるケースが顕著に増えている。
昭和のころのような アマ経験なしでいきなりプロになる「叩き上げケース」が少なくなった。
昔はだから、個性的な選手、キャラも多かったが
現代はいい意味で洗練されたボクサーが多いように思う。
(スポーツとしては進化しているので間違いなく良いことなのだが、昭和からのファンとしては、例えばジャッカル丸山とか 来馬英二郎とか、大友巌とか、剛腕の左フック一辺倒の吉野弘幸とか、、有名どころだと輪島功一、赤井英和など枚挙にいとまがない、時によっては大友巌とかみたいな、まともにジャブを打ったのをほとんど見たことねーぞ(笑)、みたいな、超変則選手など一癖も二癖もあるキャラクターがいなくなってるのは寂しい気もするが)

ともあれ(また脱線しちまった💦)

まあ俺は素人のただのファンなのでこの素晴らしい3人のことをあれこれ言うにはお粗末になるが、
ほんの少しだけ 長年ボクシングを見てきた目で言うと

田中恒成選手 〜ボディバランス、ボディワークが素晴らしい。上半身と下半身の一体感が抜群。 そして 見てのとおりあの体力のある相手に対して 終止ボディへの攻撃を怠らずに継続したボクシング。加えて おそらくは名王者の井岡戦の時の敗戦時より格段にディフェンス力が上がっているように思う(特に上半身と下半身の一体感からくると思われる)。
日本人3人目の4階級制覇。


中谷潤人選手 〜田中、井上(拓)ほどはまとまったバランスは感じないが、しかしこれは 長身&サウスポーとしての身体の使い方の差かもしれない。
この選手はとにかく サウスポーであることと 長身&長いリーチという特性を最大限に使うボクシング。
特に 基本中の基本である(サウスポーゆえの)右回りを怠らずにきちんと貫き通しているので、相手に対する体の位置取りがしっかりしている。
一見小さい細かいパンチの少なさを感じるが、↑のような理由で ビッグパンチを当てやすいボクシングに昇華させているためだ。
だから、派手でもあるためポイントもキープしやすいなど、自分の特性を最大限理解したボクシング。

ただ願わくば この長身とリーチにして、もう少しだけパンチのスピードがほしいかな?とは思う。
あと 被弾ももう少し防げればと、
まだまだ発展途上の要素も多いかな。
あと、タフネスもまだ試されてはいない。
しかし逆にいうと まだまだ発展途上の要素が多いにもかかわらず3階級制覇してしまっているのだからすごい。
無敗のまま3階級制覇。
負けた、相手のチャンピオンの誤算は まともにボクシングに付き合ったことに尽きる気がする。
この中谷相手に まともにボクシングに付き合わずに 動きそのものを封じ込めるような戦い方をしてくる相手が現れたとき、どうなるか、、 それを見てみたいね。
極端にいうと かのハグラーみたいな鉄壁のガードでなおかつプレッシャーをとぎらせないようなタイプ。


井上拓真 〜もともとスキルは一級品の選手だが 安全策にまわるきらいがあり 退屈といわれる試合を見せてきたものの 逆にいうとそれでも2度も世界王座についているのだから、やはりレベルは本来かなり高い。 言わずと知れた生ける伝説、兄の尚弥とも互角にスパーをする数少ない選手とも聞く。
その彼が いつもとる安全策の防御主体の部分に加えて攻撃面も大幅に付加した今回の試合、素晴らしかった。
攻撃面を増やすことで、その攻撃が防御にもなるというあらたな技術が加わった彼の今後の活躍に期待したい。
特筆と思うのは Sフライ級で9度防衛したあの選手に対して 右のボディをアッパーで何度も入れていたことだ。
仮にも世界線を9度も防衛した元王者のスキルに対して、右のボディを アッパーで入れるのは本来なかなか勇気がいると思う。
右のガードがガラ空きになるからだ。
でもそこをボディワークとスピードでカバーしながら何度も右ボディのアッパーで攻め立てた。
そこがやはり 本来もっているはずの非凡さを感じさせた。。


俺の予感では
かといえ、次戦は苦戦するかもしれない予感はする。
長年ボクシングを見てきて、、
特筆すべきような試合をした次の試合は 以外と苦戦とか凡戦とかになるパターンが多いからだ。
それだけの直感の理由なんだけど。
 
だから 今回の試合は今回の試合、
次はまた別件。
そう思って 自信をつけつつも、しかし今回の試合は忘れて次の相手に集中できるかが鍵かな。
そしてその、次の試合でまた素晴らしいパフォーマンスを見せることができれば、
その時こそあらためて本当に本来の能力の高さを見せることができるんじゃないだろうか。
そういう意味で 弟として 伝説の兄尚弥の背中を追うのはいいことだと思う。

でも今回に関しては 「弟」という十字架は外して、1ボクサー井上拓真として評価してあげないといけないと思う。
そんな 試合。


やっぱりグダグダ書いてしまったな、、💦💦

でもそれくらい、
今回の3人の世界戦は素晴らしいものだったと、感動するのだ。。


あ、そうだ、
ついでに書き加えておくと

昭和の昔のボクサーが じゃあ現代に通じないかといえばそれはまた違って
あらためてよく観てみると(久しぶりに動画で観たのだが) 例えばガッツ石松とか以外とテクニックしっかりしてるし(かりにもライト級で5度も世界タイトル防衛するなど超人的だし) 輪島功一の変則かつ俊敏な動きは今いたとしてもかなりあなどれないし
日本拳法出身の渡辺二郎の独特なリズムとクレバーさは現代の選手でもなかなか崩せないだろうし
沼田義明や柴田国明のスピード感は現代でも決して劣らないだろうし、、等など、
現代でも充分に通じるボクサーも多く存在していることは 書き添えておこうかな、と。

ただ 例えば井上尚弥や井岡一翔のようなレベルの出現とかも含めて全体見渡すとなると やはり 現代のボクサーの洗練具合、底辺の底上げによる進化は否定できない。


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