麺屋 極鶏®︎ 必死のパッチ日記 -337ページ目

店主

息子が生まれた事もあり、よりいっそう仕事が楽しくなってきた。

徐々に仕事にも慣れてきた。

店主はどう思っているか分からないが、おっさんは店主と凄く気が合い、

毎日色々な事を教えてもらったり、話すのがとても好きだ。

豪快で愛嬌があって面白くて優しくて個性的。

毎日、本当に楽しく仕事をさせてもらっていた。

しかし、おっさんがこのラーメン店に勤めだしてから、確か1年半が

過ぎた頃だったと思う。

店主の奥さんから、思いもよらない事を告げられた。

店主の命はそう長くないと言う。

耳を疑った・・・。

言葉を失った・・・。

店主自身にはまだ、その事を知らせてないと言う。



店主は、日を追う事に体がしんどそうになられた。

そんな店主がおっさんに、ラーメンの作り方を全て教えると言われた。

不安だらけだったが、そんな事を言ってられる状況ではない。

失敗の連続だったが、店主からこの味なら俺の作るラーメンより旨いと

言ってもらった。

本当に嬉しかった。

ただ、店主から一言言われた。

お客さんはお前(おっさん)が麺場でラーメンを作っていると

必ず味が落ちたと言うやろう。

でも、この味なら大丈夫や、俺のより旨い自信をもってやれ・・・と。


それから暫くして、ついに体にも異常がでるようになり、入退院を繰り返すように

なられた。


そんな店主が病室から、毎日おっさんにコーヒー飲みに行こかと

誘ってくれた。

店主の辛そうな体をみるのは本当に辛かったが、それ以上に店主と

喋っていたかった。

ずっと話していたかった・・・。


おじさん、本当に有難う御座いました。


(おっさんは店主の事をおじさんと呼んでいたので、

あえて、おじさんとさせて頂きます)







ついに

出勤前に2人に会う為、病院に行ったおっさん。
ついに、その時がやってきた!

出産の時、遅刻したなぁ~と母ちゃんがきりだしてきた。

大事な時に寝坊をしたのだから怒られて当然なのだが、おっさんは色々言い訳を始めた。

ところが、遅刻をした事に対してさほど怒っている様子はない…。

その瞬間、あの時ホンマに臭かったわぁ~と言った。

訳の分からないおっさんの頭の中は???マーク…。

ラッキー、おっさんは怒られてないと思った。


ところが、おっさんの口臭臭すぎ!と言ってきた。

そう、おっさんは出産日の前日にニンニク大さじ2杯入りのラーメンを職場で食べていたのである。

その口で、分娩室で母ちゃんの手を握り母ちゃんの顔の近くで何時間もヒィーヒィーハァーをしていたのである。

ハァーの時は最高潮に臭かったことだろう。

何時間も顔の前でニンニク臭をかがされたのたがら怒って当然である。

親父

分娩室から出たおっさんは、外で待機していた両親族と喜びあった。

みんな、凄く喜んでくれている。

喜びすぎて全員声が大きくなりすぎていたようだ。

看護婦さんから静かにしなさい!と怒られてしまった。

その看護婦さんは、後で母ちゃんと息子を病室まで連れて行くので、そこで待機しておいて下さい!と言った。

みんな怒られたせいか素直に、その指示に従った。

だが、病室に着くと再びみんな大騒ぎ。

1時間程経った頃だろうか、看護婦さんが息子を連れて来てくれた。

言うまでもなく、みんな更にうるさくなった。

話す事はお決まりの、お母さん似やな、お父さん似やなの大合唱。

おっさんは、そんな事はどうでもよかったのである。

ただただ、元気でさえいてくれればそれでよかったのである。

母ちゃんと息子は、病院に1週間程入院し帰宅する。

おっさんはその1週間、出勤前に病院に2人の顔を見に行くのが日課になった。


まもなく、おっさんは母ちゃんに怒られるのである…。