親父 | 麺屋 極鶏®︎。 必死のパッチ日記

親父

分娩室から出たおっさんは、外で待機していた両親族と喜びあった。

みんな、凄く喜んでくれている。

喜びすぎて全員声が大きくなりすぎていたようだ。

看護婦さんから静かにしなさい!と怒られてしまった。

その看護婦さんは、後で母ちゃんと息子を病室まで連れて行くので、そこで待機しておいて下さい!と言った。

みんな怒られたせいか素直に、その指示に従った。

だが、病室に着くと再びみんな大騒ぎ。

1時間程経った頃だろうか、看護婦さんが息子を連れて来てくれた。

言うまでもなく、みんな更にうるさくなった。

話す事はお決まりの、お母さん似やな、お父さん似やなの大合唱。

おっさんは、そんな事はどうでもよかったのである。

ただただ、元気でさえいてくれればそれでよかったのである。

母ちゃんと息子は、病院に1週間程入院し帰宅する。

おっさんはその1週間、出勤前に病院に2人の顔を見に行くのが日課になった。


まもなく、おっさんは母ちゃんに怒られるのである…。