曇った空の灰色を、そのまま移してしまった、午後のお部屋。
向き合った、ジーラさんとチワワさんの間に、出現した、異次元。
ジーラさんの日常が詰まった、大きな空気の箱。
それは、舞台。
舞台の上は、ジーラさんの日常。
あっ、あれは、何かに、つまずいた時の、ジーラさん。
自分が、沢山の選択肢の中から、選んだ役を、必死に演じて、
解決だけが、前に進む手段と、思い込んで、
無理やり進んで、クタクタになって、余裕の無いジーラさん。
そんなに、がむしゃらに、解決を急いで、前に進んで、本当に、幸せは、来るの?
何に、向かって、進んでいるのか、分っているの?
のんびりと、流れる、チワワさんの時間の中で、なんと、滑稽に見えることか。
慌しい時間の中で、ジーラさんは、ドタバタ、人生を、演じてる役者。
沢山の役を、色々な演じ方で、演じる可能性が有る事に、
気付いていない、大根役者。
ゆっくり流れる、チワワさんの時間の中で、ジーラさんは、観客。
色々な可能性を、見る事ができる、冷静な観客。
何故、うまく行かなかった、役に、拘って、演じ続けるの。
その役から、抜け出せないのなら、せめて、演じ方を変えてみたら。
上手くいかない時間の中で、見えなかった、沢山の選択、
沢山の可能性、そして、沢山の希望が、ここからなら、よく見える。
失敗した舞台の幕を、引く事を、怖がらないで。
次の舞台は、沢山用意されているのだから、
何時でも、今の舞台を捨てて、次の舞台に、立つと良い。
それは、自分が主役の、自分自身の人生舞台の上で選んだ、
1つの貴重な選択。全然、卑怯じゃない。
今だけが、人生じゃない事に、気付いて、
演じている役に、最悪のレッテルを貼らないで、
舞台では、どんでん返しが、付き物なのだから。
舞台の上のジーラさんを、
灰色の午後のお部屋のすみっこに、寝そべって、
ゆっくり流れる、時間の心地よい重さを、感じながら、
自分の日常劇を、観覧するのも、なかなか、乙な物ですね、チワワさん。
また、灰色の日には、見せてくださいな、チワワさん。
急ぎすぎの、ジーラさんの日常を。
無声映画の様な、ドタバタ劇を。