Blog版日本プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー協会(JIPCC) -4ページ目

アサーティブな表現の基本:伝えたいことは、数を絞って、ストレートに表現する。

この頃の若手社員は、いったいどんな基準で行動してるんだろうねぇ・・

こう嘆く年配の管理者は、年々増加しています。

「何が起こったんですか?」と伺う私に、苦々しそうにその管理者はおっしゃいました。

「お客様の都合に合わせて、アポイントメントいただいたはずなのに、ドタキャンですよ!ドタキャン!ありえません!!」

「しかもですよ、しかも。お詫びするどころか、お客様との約束の確認を怠って、別のお客様との約束をしたことを、お客様がさも間違ったかのように処理するもんだから、『いったいどういう教育をしているんだ、長い取引をさせていただきありがとう。ニ度と顔を見せてくださるな』と、言葉こそは丁寧だったものの、今後のお付き合いが期待できそうにない厳格な態度で、追い返されました・・」とのこと。

社会経験が実年齢よりもはるかに少ないため、それが社会通念上の常識であろうが、暗黙のルールであろうが、理解ができないようです。

しかも、ことの重大さが理解できないという、厚顔無恥なところが上司をいら立たせるようです。


では、こんな時、部下にどんなコーチングが有効なのでしょうか?

今号は、久しぶりにアサーティブな関わりをご紹介しましょう。



A「いやぁ、課長、長い説教でしたねぇ・・あのお客、自分も悪いってことに気づかないのかな?」


課長A君、今回の問題は、どこに原因があると思ったのかね?」


A「そりゃぁ、僕がダブルブックしたのが、一番の原因だと思います。でも、メールの読み落としなんて言うのはだれにでもあるし、だいたい、最初に決めた日程から変更を申し出られたのは、さっきも言ったように、お客の方なんですよ。もちろん、いったん僕も『わかりました、メールありがとうございます』と、メールしたわけですから、悪いんですけど。

でも、誰にだって間違いはあるわけだし。何も、取引中止と言って脅すこともないと思うんですよね」


課長「確かに、君が言う通り、お客様も取引中止をお詫びの材料にするのは、私も嫌いな進め方だ。しかしだA君、君の「その考え」を変えない限り、おそらく、今後も何かとあのお客様とは揉めるだろうと私は思う。だから、君をこのエリアの担当から外すことにするよ。残念だよ。わたしの育て方が悪かったと思うと、自分自身にも愛想が尽きたよ・・・」


A「課長・・・何が気に入らないんですか? 僕は、ちゃんと謝ったじゃないですか!まだ、何か言いたいことがあるんですか?

課長もあのお客と一緒だ・・ネチネチといじめるんですね!」


実は、上のような課長の表現は、アサーティブな表現ではありません。

嫌味を含んだように聞こえてしまうので、逆効果なのです。

言いたいことをストレートに表現しないのは、却って相手にメンタルワークをさせるだけで、効果はありません。


では、どう表現したら、A君はこの問題を、二度と同じ誤りを犯さないように記憶に残すことができるのでしょうか?


わたしなら、こう言ってA君と関わります。



A「いやぁ、課長、長い説教でしたねぇ・・あのお客、自分も悪いってことに気づかないのかな?」


課長「そうだな。確かに、お客様の話は、長い時間を要したな。しかし、それだけ、相手の怒りが強かったということではないかな?」


A「まぁ、それはそうですけれども・・」


課長「私はねA君。誰にでも間違いや失敗はあると思う。大事なことは、その失敗から何を学び、どう気づくかということだと思うんだ。今、君がこの問題から得たものが、「お客様の話が長い」ということだけで、相手の心情に気づけないのだとしたら、とても残念だよ」


A「まぁ、それだけではないんですけどね・・・(考え込む)」


課長「しばらく時間をじょうあげるから、この問題の本質を追究し、今後、どういう時にこの問題が利用できるか考えてみてほしい。そして、答えが見つかったら、いつでも話しを聴かせてくれ」


といって、後の対応は、本人に任せることでしょう。


気づきは、同じことを100回繰り返した時に起こることもあれば、2回や3回の繰り返しで得られることもあります。また、その気づきのきっかけは、人それぞれに違うのです。

だからこそ、しばらく部下と距離をとって、自分に考えさせることも必要なのです。

特に、社会経験の少ない若手社員には、どんなことを工夫して話してみたところで、創造性に乏しい人たちなら、理解してもらうことはできません。

だからこそ、考えさせることが大切なのです。

伝えたいことは、数を絞って、ストレートに表現する。

アサーティブな表現の基本です。

余計なことを付け加えることによって、本来考えてほしい焦点がぶれるような表現をしないよう、十分注意してくださいね。