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コーチング事例集(1)後継者に悩むマネージャー

エグゼクティブ・コーチのコーチング事例集です。

みなさんさまざまなところでコーチングを実践されています。


残すところ定年まであと8年。

私のチームには、10名の社員がいますが、正社員は3名しかおらず、誰かを後継者として決定し、マネージメントを任せなければならないのですが、一応にみんな大人しく、3名ともに家庭生活を第一におき、昇進や昇格は望まない人材ばかりで、気持ちがふさいでいました。

ある日、人事部長である取締役と昼食をご一緒することになったので、山本人事部長に率直に胸のうちを明かしてみようと思いましたが、なかなか勇気が出ず、何となく上の空で食事をしておりました。

すると、山本人事部長から、「木戸君、何か悩み事でもあるのか?」と質問を受けました。

どうしようかと迷いながらも、自分のもやもやしていた気持ちを率直に話してみたところ、

山本人事部長は、「なるほど、それは難しい問題だね。ひとつアドバイスをしてみてもいいかな」と言われました。

「はい。何かいい方法がありましたら、参考にしますのでアドバイスよろしくお願いします」私がそう答えて、山本人事部長から「3名の仕事振りや業績など、項目を決めて点数をつけてみたらどうだ?」と、アドバイスを受けたのです。

さっそく、3名を公平に扱うために、マネージャーとして受け継いで欲しい資質や行動などの項目を決めて、点数を付けてみると、はっきり後継者の姿が見えたのです。

ついつい、悪いところや足らないところにばかり目を向けていたため、どれもみんなどんぐりの背比べのようになっていたのですが、現状を把握するための点数付けは、自分の気持ちを整理するのに、とても役に立ったのです。

山本人事部長は、コーチングを学習されていると聞かされたのは、その後お礼と報告を兼ねて昼食にお誘いしたときでした。

知らず知らずのうちに、自分の気持ちを整理できるコーチングの威力と、山本人事部長に話してよかったという満足をたっぷり味わうことができました。
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