不倫によって被害を受けるのは誰? | 日本心理教育院 www.jip.ac

 

配偶者の不倫を発覚すると、いきなり地獄に陥れられたような苦痛の中で生きていくことになります。それで配偶者の不倫によって苦痛を感じる人は自分が強力な被害(人生全体を破壊するくらいの裏切りによる被害心理)を受けたと考えます。

すると不倫した人は強力な加害者(犯罪者)になり、苦痛を感じる人は強力な被害者(犯罪被害者)になるのです。 こうなると加害者は処罰を受けるか、加害者が過ちを反省して被害者に許しを請わないと被害者は回復されないと考えるのが当然です。



ところで、夫婦がある日突然、加害者と被害者の関係になったらどうなるのでしょうか?

強力な加害者、あるいは強力な被害者になったという事実だけで夫婦各自の人生全体が歪みだし、配偶者という存在はもう不要になって夫婦関係が破壊され、加害者と被害者だけが残り、加害者と被害者の間で生まれ養育された子供たちまで問題視されます。そのために加害者と被害者が一緒に暮らしている家庭(?)が崩れていくのは当然の結果です。

これは不倫を過ちという観点だけで解釈した結果です。つまり不倫を過ちの観点から考えると、加害者と被害者の概念が作られることになります。 しかし、不倫を心の観点から解釈すると、全く異る結果に至ります。

不倫をした当事者は重度心理障害(関係依存)またはそれ以上に悪化した憤怒調節障害またはヒステリーが発生している状態であり、不倫の苦痛を受ける人は外傷トラウマが発生して自分の人生全体を全て傷に変えています。

この時、不倫した人は苦痛を感じている配偶者を見ると、何とか配偶者が楽になれるように努力をするか、苦痛を感じる配偶者から逃げようと努力するか、不倫を合理化と正当化しながら開き直るかします。人によって異なる行動をしていますが、実はすべて不倫した人自身が楽になるための行動です。

しかし、不倫をした人が何をしても自分の心理はさらに悪化され、不倫の苦痛を受ける配偶者の心理も悪化され、結果的に二人をより悪化させる努力をしたことになります。それで結局は不倫した自分、苦しむ配偶者、子供たちの人生を破壊し、家庭を破壊して、ひいては他人の人生の破壊へと進みます。



したがって、最初は不倫をした当事者が被害を受け、不倫の苦痛を受ける配偶者が被害を受け、子供たちが被害を受け、周りのすべての人々が被害を受けることになります。

また、不倫されて苦痛を受ける配偶者は不倫した夫または妻を何とか以前に戻らせる努力をしたり、配偶者は放棄して自分が他のことに没頭しようとする努力をしたり、離婚後に新しい人生をはじめようと努力することになります。これらすべては不倫の苦痛から抜け出して、自分が楽になれることだけを考えてする行動です。

しかし、これらすべての努力も不倫の苦痛を受ける人自身が自分をさらに悪化させる努力であり、不倫した配偶者を悪化させる努力です。 それで結局は苦しむ自分、不倫をした配偶者、子供たちの人生を破壊し、家庭を破壊して、ひいては他人の人生も破壊します。

つまり、不倫の苦痛を受ける人が被害を受け、不倫をした人も被害を受け、その子供たちも被害を受け、周りのすべての人たちが被害を受けることになるということです。 結局、不倫によって被害を受ける人たちは不倫をした当事者を含むその周りにいるすべての人間関係です。

では、このような被害を受けないためにはどうすればいいでしょうか?

不倫した当事者は自ら自分の重度心理障害(関係依存)を治療して回復させ、苦痛を受ける配偶者を回復させなければならず、子供たちを回復させなければなりません。そうしてこそ自分、配偶者、子供たちが被害を受けずに安全に幸せに生きていけるようになります。

また、不倫されて苦痛を感じる人も、自分の外傷トラウマを治療して自分を回復させ、子供たちを回復させなければなりません。その後で不倫した配偶者が自ら自分の重度心理障害を治療して回復できるように機会を与えなければなりません。すると自分、配偶者、子供たちが被害を受けずに安全に幸せに生きていけるようになります。

皆さんは不倫が発生した時に被害を受ける人は「苦痛を受ける相手配偶者」だけだと考えていませんか?

今すぐは苦痛を受ける自分だけが被害を受けていると考えるかも知れませんが、結局は自分、配偶者、子供たち、家族、周りのすべての人が被害を受けているのです。

このような被害から抜け出し幸せな人生に転換するためには自分から先にこころ治療をはじめなければなりません。