傷を治療すること、傷を封印すること | 日本心理教育院 www.jip.ac

 

幸福と傷の解離現象(傷解離)は似ているようですが、まったく異なるものです。

 

傷解離は幸福ではなく、楽しい人生だけを追求することです。傷の感情を治療したのではなく、封印してしまっているだけで、少しだけ傷が頭をもたげようとすると、面白く楽しい気分を追い求めるようになります。それで常に楽しい気分を追い求めながら生きていくようになります。

 

楽しさはどこからくるのでしょうか?他人、仕事、趣味、その他のことなど自分のものではないところから楽しさを求めるようになります。楽しさの対象が楽しくしてくれてこそ自分が楽しくなります。つまり傷解離の人たちは、自分ではないものから楽しさを感じるのです。

 

五つの感覚器官にとおして外部の刺激があるときに感じるものを気分と言います。このとき気分に没頭すると情熱が生成されます。正常な情熱は自分ではない対象に与えるとき感じるものです。つまり自分が何かを得ようとするのではなく対象に何かを与えようとするのが正常な情熱です。傷解離の場合は五つの感覚器官がどこかに没頭して楽しい気分を得なければならないため、その対象に依存するようになります。

 

真の幸福というのは気分ではなく感情です。傷の感情を治療して幸福感情が生成されると、対象から楽しさを求めようとするのではなく、自分自身が幸福であり、一緒にいる他人が自分によって幸福になれます。つまり自分だけではなく周りにいる相手も共に幸福を感じられるようになります。

 

傷解離は、封印された傷をベースにしてつくられた歪んだ情熱であるために、自分だけでなく周りにいる相手も共に破壊させる役割をします。今の自分の楽しい気分を得るために周りを破壊してしまう能力をもつのが傷解離です。

 

真の幸福は、歪んだ情熱を遮断して健康な幸福を維持できるように自分も知らずにその方向で作用します。

 

傷解離の女性たちが最も嫌う人がまさに幸福感情を持つ人であり、傷解離の人たちは傷解離の人たち同士で集まり、歪んだ情熱をやり取りしながら共有しています。気分が良くなればなるほど中ではお互いの傷はどんどん大きくなり、心理的に崩れているのをお互いに知るすべもないまま一日一日生きていくようになります。

 

一人でいるときに幸福だと感じるときがあります。

 

美味しいものを食べ、ぐっすり寝て、元気に生きているだけでも人としての幸福を感じます。これは人として感じる幸福ですが、人としての幸福は健康に生存できているときに感じるものです。これは幸福とは表現してはなりません。私たちは人間関係の中で生きており、一人で生存さえすれば良いのではないからです。真の幸福は、人間として他人の共にする人間関係の中でつくっていくものです。

 

傷解離の人たちは人間関係の中で自分一人の幸福を追求する人たちです。他人の幸福、不幸には関心もなく、相手は人間関係とは言えず、自分の楽しさのために必要な人にすぎません。相手から楽しさが得られないのであれば、相手を攻撃するようになります。他人が自分を楽しくしてくれずに自分の基準に合わないと、ストレスを受けヒステリー症状が現われるようになります。

 

これは自分の子供も例外ではありません。自分の子供が自分の思うようにならないと、自分の楽しさにそぐわないことになり、子供に手を出す暴力も辞さなくなります。このように傷解離の周りにいる人はみんな心的苦痛を受けるようになるのですが、本人は自分の楽しさだけを追い求めているため、本人のせいで周りの人たちが傷付いているのは全く認識できずにいます。

 

真の幸福と傷解離の人たちが錯覚している幸福の違いを知る必要があると思います。

 

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