夫の不倫での被害心理と補償心理 | 日本心理教育院 www.jip.ac

 

夫の不倫で妻は愛が裏切られた気持ちになります。女にとって愛の感情は、生きる意味であり幸福そのものです。しかし夫は自分の楽しさと快楽のために妻の人生を崩してしまいました。それで妻は毎日が苦痛でつらくなります。

 

夫の不倫事実を知ると、妻は夫の愛が不倫女に移ったと考えて被害意識を感じるようになります。被害意識が大きくなればなるほど、夫に捨てられたという気持ちが支配するようになり、自分の被害を回復しょうとして補償心理が生まれてきます。

 

被害意識は傷の作用であり、補償心理は裏切られた愛に対する懲らしめと復讐です。夫や不倫女を懲らしめて復讐をしても傷はそのまま残っています。正しい対処法も分からないままでの懲らしめや復讐は補償どころか被害を大きくするだけです。

 

多くの傷付いた人たちが加害者を懲らしめたり復讐をするとすっきりするだろうと考えますが、むしろ自分自身が加害者になって事態が悪化するだけです。

 

不倫の傷は、懲らしめや復讐で解決できるものではありません。いくら立派に復讐をしたとしても傷はそのまま残っています。したがって懲らしめや復讐は絶対にしてはなりません。傷を治療すると、愛の感情、幸福の感情が自ずと生成されるのですが、あえて自分が加害者になる必要はありません。

 

夫の不倫事実を知ると、妻たちは大変な怒りと傷でネットなどを検索しながら懲らしめと復讐を方法を探します。しかしこれは全く無駄な行動です。懲らしめれば懲らしめるほど、復讐をすれば復讐をするほど、傷はさらに大きくなっていきます。傷は、怒りをつくり、大きくなった怒りに自分も耐えられなくなります。怒りは憤怒調節障害に発展するので、ややもすると犯罪につながることもあります。

 

治療依頼者の中には、夫と不倫女を懲らしめたあと、あまりにも大きくなった怒りで日常生活もできずにいる人がいます。自分でもコントロールができない怒りによって夫の会社に押しかけてキレたり、不倫女の家に押しかけてキレたりと、しかし結果はすっきりするどころかより傷が大きくなり虚しくなるだけです。

 

復讐をするときは、怒りによって本人も何をしているのか認識ができません。復讐と懲らしめは不倫問題を解決するのではなく、自ら悪循環のループに入っていくようなものです。

 

被害意識を感じる傷はとても心が痛むものです。それで痛む傷を回復したくて懲らしめと復讐をします。これは正常の心理です。しかし自分が悔しいからといって自ら加害者になってはなりません。正しい対処法を準備したあとで行動してこそ自分の傷がさらに大きくなるのを防ぎます。

 

夫が不倫をしたのは明らかに夫の過ちです。それで毎日怒り、傷の表現をしながら夫を攻撃したり、自分の傷が痛み過ぎて他の男の関心を受け入れたり、苦痛が耐えられずに離婚したり、復讐や懲らしめで夫を破滅に追い込んだなら、もう夫婦としての幸福は終わっています。

 

不倫で相手を懲らしめたり復讐をした場合のほとんどが離婚をします。傷治療ができていない状態で離婚すると、今よりも不幸な人生を送ることになります。

 

夫の不倫で苦痛を感じるのは、自分の傷を治療して幸福になりなさいという心の呼びかけです。夫と幸福になりたくなければ苦痛を感じる理由もありません。怒りも同様です。早く回復して幸福になりたいから怒りが現れるのです。

 

不倫が発生すると必ずに被害心理と補償心理がはたらきます。それでも懲らしめと復讐は警戒しなければなりません。怒りによる懲らしめと復讐は自分の傷を大きくするだけです。

 

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