冬になるとかゆみが強まる慢性腎臓病の方は多くみられますが、その原因は乾燥肌なんです。
皮膚の一番外側は、何層もの角質細胞がレンガのようにぎっしり積み重なった角層と呼ばれる構造をしています。
健康な肌では、皮膚表面を覆う外界の刺激から皮膚を守り水分の蒸発を防いだりしています。他にも角質細胞間脂質が角質細胞の間を埋め、細胞同士をくっつける接着剤の役割もしています。
これらがうまく働くことで皮膚に水分を閉じ込め、皮膚のバリア機能が保たれています。
でも、冬になると
寒さによる新陳代謝の低下によってこれらを作る機能が低下した上に、空気の乾燥によって水分が蒸発してしまい、乾燥肌を生じやすくなります。
乾燥肌になると、かゆみを伝える神経がいつもよりも皮膚の表面にでてきてしまうので、外からの刺激に過敏になって、服や石鹸などのわずかな刺激でかゆみを感じるようになってしまうんです
慢性腎臓病の方はこのような乾燥肌の方が多いので、今日は対処法をお話しますね
ちなみに正しいスキンケアをして皮膚のバリア機能が回復するには2週間以上かかります。
すぐ直らないからといってやめてしまわず、しっかりスキンケアを続けましょうね
日高病院も乾燥しています
スキンケアのポイントは
正しい入浴方法
保湿剤を上手に使いこなす
日常生活における乾燥肌対策
です。詳しくみてみましょう
正しい入浴方法
汗にはかゆみを起こす物質が入っています。汗をかいたら早めに流しさってしまいましょう。
熱い湯や長湯は皮脂が溶け出してしまいます。避けましょう
石鹸とごしごし洗いは必要なうるおいまでとってしまうので、控え目にしましょう
ふろ上がりは皮膚の表面からどんどん水分が蒸発します。皮膚がしっとりしていると保湿剤が浸透しやすいので、お風呂から出たら数分以内に保湿剤を塗りましょう
保湿剤を上手に使いこなす
軟膏やクリームなら指先から第一関節くらいまで出す、ローションなら1円玉くらい出す。
これで両のてのひら分の面積を塗ります。
まあ面倒くさかったら、肌がしっとりするまでと覚えてもいいでしょう。
保湿剤を数か所において、てのひら全体でやさしく薄く広げていきます。
すりこみ過ぎても肌を傷めてしまうので、少量の保湿剤をできるだけ薄くのばしながら塗るのがポイントですよ
しわにそって塗ると浸透しやすくなります。
腕なら横。おなかなども横ですよ。
スキンケアのための生活術
化学繊維や毛織物はちくちくするので、直接肌に触れるものは木綿や絹にしましょう。
部屋の加湿にも気をつけて、湿度が40~60%くらいあるといいですよ。
こたつや電気毛布は、知らないうちにかなり乾燥させます。
使用するときは温度を低めに設定して、使用時間も短くしましょう。
正しいスキンケアをしてもなおらないかゆみは、乾燥肌以外の原因が考えられます。
一度医師に相談してみてくださいね
腎機能が悪化していたり、透析を受けている人で透析が不足しているなどの理由で体に毒素が溜まっていると、なんとも言えないかゆみを感じることもあります。
これこそすぐ主治医に相談してくださいませ