冬のかゆみと腎臓病 | 腎臓内科医のつぶやき

腎臓内科医のつぶやき

気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

冬になるとかゆみ雷が強まる慢性腎臓病の方は多くみられますが、その原因は乾燥肌なんです。
皮膚の一番外側は、何層もの角質細胞がレンガのようにぎっしり積み重なった角層と呼ばれる構造をしています。


健康な肌では、皮膚表面を覆う外界の刺激から皮膚を守り水分の蒸発を防いだりしています。他にも角質細胞間脂質が角質細胞の間を埋め、細胞同士をくっつける接着剤の役割もしています。
これらがうまく働くことで皮膚に水分を閉じ込め、皮膚のバリア機能が保たれています。


 
でも、冬になると雪だるま
寒さによる新陳代謝の低下によってこれらを作る機能が低下した上に、空気の乾燥によって水分が蒸発してしまい、乾燥肌を生じやすくなります。
 
乾燥肌になると、かゆみを伝える神経がいつもよりも皮膚の表面にでてきてしまうので、外からの刺激に過敏雷になって、服や石鹸などのわずかな刺激でかゆみを感じるようになってしまうんですえーん
 
慢性腎臓病の方はこのような乾燥肌の方が多いので、今日は対処法をお話しますね爆  笑
 

 
 
 
ちなみに正しいスキンケアをして皮膚のバリア機能が回復するには2週間以上かかります
すぐ直らないからといってやめてしまわず、しっかりスキンケアを続けましょうね!!
 



イメージ 1
日高病院も乾燥しています
晴れ
 


音符スキンケアのポイント音符
1    正しい入浴方法
2    保湿剤を上手に使いこなす
3    日常生活における乾燥肌対策


です。詳しくみてみましょう ハート





1    正しい入浴方法
ガーベラ汗にはかゆみを起こす物質が入っています。汗をかいたら早めに流しさってしまいましょう。
ガーベラ熱い湯や長湯は皮脂が溶け出してしまいます。避けましょう
ガーベラ石鹸とごしごし洗いは必要なうるおいまでとってしまうので、控え目にしましょう
ガーベラふろ上がりは皮膚の表面からどんどん水分が蒸発します。皮膚がしっとりしていると保湿剤が浸透しやすいので、お風呂から出たら数分以内に保湿剤を塗りましょう





2保湿剤を上手に使いこなす
軟膏やクリームなら指先から第一関節くらいまで出す、ローションなら1円玉くらい出す。
これで両のてのひら分の面積を塗ります
まあ面倒くさかったら、キラキラ肌がしっとりするまでキラキラと覚えてもいいでしょう。
 

保湿剤を数か所において、てのひら全体でやさしく薄く広げていきます。
すりこみ過ぎても肌を傷めてしまうので、少量の保湿剤をできるだけ薄くのばしながら塗るのがポイントですよウインク

しわにそって塗ると浸透しやすくなります。
腕なら横。おなかなども横ですよ。




3スキンケアのための生活術
チューリップ化学繊維や毛織物はちくちくするので、直接肌に触れるものは木綿や絹にしましょう。
チューリップ部屋の加湿にも気をつけて、湿度が40~60%くらいあるといいですよ。
チューリップこたつや電気毛布は、知らないうちにかなり乾燥させます。
使用するときは温度を低めに設定して、使用時間も短くしましょう。



正しいスキンケアをしてもなおらないかゆみは、乾燥肌以外の原因が考えられます。
一度医師に相談してみてくださいねハート

腎機能が悪化していたり、透析を受けている人で透析が不足しているなどの理由で体に毒素が溜まっていると、なんとも言えないかゆみを感じることもあります。
これこそすぐ主治医に相談してくださいませ!!