高齢慢性腎臓病患者さんの食事サポート | 腎臓内科医のつぶやき

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気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

今日は高齢慢性腎臓病患者さんの食事サポートをご紹介します。
資料は協和発酵キリン株式会社さんが作成しているDREAM CKDです。
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ご高齢の方はどうしても食事量が落ちたり、肉や魚などの摂取が減りたんぱく質が足らないことが少なくありません(たんぱく質制限指導量よりさらに少ないとか、アミノ酸スコアが低いものが多いとか)。
食事療法を頑張っている方ほど、この傾向が強いのは残念ですが、これは私たち医療関係者の説明が足りないのも一因かと思いますえーん



指導されている食事療法の内容:1カロリー、2蛋白質、3塩分、4カリウム、5リン、6脂質などは、その時の状態で指示されたものなので、翌月も同じでいいとは限らないんですよ!!

これをお話するとびっくりされることが多いですが、指示通りできても運動量に比較してカロリーが足りなければやせてしまいますし、指導内容を一度でしっかり行えないことも多いですし

なので、栄養指導は自信をもってできるようになって、検査結果も安定するまではこまめに受けていただきたいのですハート






それはさておき、資料の内容をご説明しましょう爆  笑

今日言いたいことは”すこやかに過ごす基本は3食欠かさない生活です”です(by DREAM CKD)。


高齢ほど栄養不足の可能性がある人が多いです。

65~69歳男性では、低栄養傾向の人の割合は11.3%なのに対し、80~84歳では15.2%、85歳以上では23.9%にもなります。

女性でも同様で
65~69歳では21.7%なのに対し、85歳以上では34.3%にも上ります。
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他にも朝食を食べない人も増えているようで10年前とくらべると男女ともその差は顕著です。
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『疲れてもう食べたくない』とか、『胃が重くて朝から食べられない』という声は聞きますが、
食事を1食抜くと、1日に必要なエネルギーや栄養素がとりにくくなります。

栄養不足にならないように、毎日朝食・昼食・夕食をきちんを食べる習慣をつけましょうハート






食べにくいとき、食事の内容を調節するのはもちろんですが
食べる時の器具にも気を配ってみてください。
軽くて口に入るヘッドが小さいスプーンは便利ですよ。
自助具といって、福祉用具販売店やインターネットで購入できます。
これは、軽くて持ちやすく、すべりにくく、ヘッドが小さいので一口の量が少なくて食べやすいんですグッ

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こんなのとか


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こんなのとか



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こんなのとか

色々あるので、ぜひご自身や家族が使いやすいものを探してみてください。

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おはしも色々ありますよ~キラキラ