透析患者さんの検査値の見方②:総蛋白・アルブミン編 | 腎臓内科医のつぶやき

腎臓内科医のつぶやき

気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

今日は
①総蛋白  ②アルブミン  についてお話しますガーベラ




イメージ 1





ヒヨコ総蛋白:TP
栄養の指標として使われることが多いです。
血清中のタンパク質には100種類以上ありますが、それぞれが生きていくのに重要な役割をもっています。
そのうち50~70%で一番多いのが、次にご説明するアルブミンです。


透析患者さんの基準値 6.0~8.0g/dl





イメージ 2






豚アルブミン:Alb
血清中に存在するタンパク質の50~70%を占めます。
肝臓で作られます。
このアルブミン値は、透析患者さんの栄養状態の指標として使われることが多いです。



透析患者さんの基準値 3.0~5.3g/dl



イメージ 3









総蛋白はアルブミンとともに血液の濃さ(血漿浸透圧の一部)を担っています。
正常より高い場合や、アルブミンの比率が著しく低い場合は、多発性骨髄腫など血液の病気を疑い、増加しているたんぱく質の種類を確認する必要があります。






また、アルブミンは
透析前の値が低いと、元気に長生きできる期間が短くなるといわれています。
また、前回お話ししたヘモグロビン・ヘマトクリットと同じように、脱水の影響を受けることから、体内の水分量の指標にもなるんですよキラキラ



なので、
総蛋白もアルブミンも低い時は、浮腫みがあったり、胸水(肺に水がたまる)があったり、腹水(おなかに水がたまる)がたまってて、体が水で薄まっている可能性もあります。

もちろん栄養状態が悪いときも低く出ますし、癌などでも低くでます。
肝臓で作られるため、肝臓の病気があっても低く出たりします。


すべての検査値はひとつだけみて考えるのではなく
症状やほかのデータとの関係をみて判断していくことが大切ですねハート






イメージ 4