肺炎球菌ワクチン接種は1回でいいの?腎臓病とワクチン | 腎臓内科医のつぶやき

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気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

12月9日の腎臓病教室で感染症についてお話しました。
ワクチン接種についてもふれたのですが、その際ご質問いただいた内容の中にご紹介したほうがいいものがあり、今日お話しします。



『肺炎球菌ワクチンは1回打ったら、もう打たなくていいんですか?

接種から5年すぎたら効果が落ちるので、再接種をお勧めしました。
参加できなかった方にもこの場でお勧めしますウインク



グッ   グッ   グッ   グッ   グッ   



日本では65歳以上で肺炎球菌ワクチンを定期接種することになり、接種率が上がりました。現在65歳以上の接種率は50%を超えています。
すごく広まりました音符



海外ではどうかというと・・・?

アメリカ・オーストラリアでは1回のみ、イギリスでは5年ごと、ドイツでは6年以上の間隔で繰り返すとされています。
いずれも保険・補助制度などを利用し無料で接種できるそうです。



そんな肺炎球菌ワクチン
接種後徐々に効果が(免疫原性が)徐々に低下します。

今年7月に『肺炎球菌ワクチン再接種に関するガイダンス(改訂版)』も公表されましたが、接種後約5年経過したら再接種を考えてください。
海外では接種して10年経過すると肺炎球菌感染症を発症する危険性が高まるという報告もありますよ。


今後日本は2回目の接種に対し補助金がでるのかなどは全くわかりませんが、
慢性腎臓病をお持ちの方は
(心臓病・肺の病気・脳卒中後・免疫不全の方も)
肺炎球菌ワクチンを接種して5年経過したら、ぜひ、かかりつけの先生に2回目の接種について聞いてみてくださいね爆  笑



今回はMedical Tribune2017年12月7日号から
東北大学加齢医学研究所抗感染症薬開発寄付研究部門教授 渡辺彰先生のお話をご紹介しましたハート