ハロウインの腎臓病教室 その2 | 腎臓内科医のつぶやき

腎臓内科医のつぶやき

気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

会の最初は透析を始める時期について私からお話ししましたハート


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どうして透析を行う必要があるのでしょうか

元気は腎臓は体の余分な水分や毒素を尿として体外に出す仕事をしています。

でも腎臓が弱り、腎臓がしていた仕事が十分できなくなると、体に余分な水分や毒素が溜まってしまいます。

結果今まで通りの生活が送れなくなり、最後には命を落としてしまう状態となるのです


ですから
腎臓が働かなくなっても元気に生きていくために、透析療法や腎臓移植療法が必要なんです!!






では、いつ透析療法を始めるべきなのでしょうか


もともと100%程度あった腎機能が10%未満になると、腎臓の仕事が十分果たせなくなり、色々な症状がでてしまいます。

一般的に腎機能が10%未満となったら透析療法や移植療法の適応があると考えます




注意したいのは、腎機能が10%以上保たれていても、下にお示ししたことが起こってきたら治療を開始する必要があるということです。

1 吐き気は食欲低下などに代表される高度の尿毒症症状がでた時
2 薬で改善しない浮腫みや心不全を認めた時
3 高カリウム血症や、強い酸血症になった時

薬ではコントロールできないこのような症状がでた時は、治療を開始しましょう。


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でもそれって、どのタイミングなのか、具体的に知りたい・・・という人のために

尿毒症症状がなければ、腎機能(eGFR)4~8%程度で透析を開始するのが妥当とされています。

症状がなくてもeGFR3までに開始することが望ましいとされています。



持病や年齢によっても大きく変わりますので、主治医の先生と日頃から話し合っておくのがいいでしょう。



糖尿病や心臓の持病をもっている人は要注意な点をひとつ

データ上腎機能は良好でも、高度のむくみや心不全が制御できなくなり、一晩のうちに重症のうっ血性心不全を呈することがあります。
この際は院急で透析療法を開始することが多いです。


糖尿病をもっていて、蛋白尿量が多い人や、心臓の機能が弱っているひと、うっ血性心不全を繰り返している人は、早期に透析開始となる可能性があるので、早め早めの準備をしておきましょうね!!



この日のお持ち帰り自由資料です音符
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今回のメンバーです。
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私と栄養士さんは同じですが、看護師はチームのメンバーが入れ替わるので毎回異なります。
色々な話が聞けていいと、参加された方にも好評ですよ~

透析治療前後で受けられるようになる助成制度について、ソーシャルワーカーからお話ししたので、今回は男性が多めです

今回も嫁入り前の子がいるため顔は伏せますが
こんな雰囲気だったキラキラと少しでもお伝えできたらうれしいです