12月腎臓病教室のご報告-その5(最終回) | 腎臓内科医のつぶやき

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気軽に腎臓病について知っていただく機会を作りたいと思って、2010年から月1回の腎臓病教室を始めました。教室でお話した内容や、腎臓関係のマメ知識をお話できたらいいなと思っています。2018年12月にyahooブログから引っ越ししました。

この日は
実際に血液透析を受けている患者さんの体験談
を聞く時間もありました。
 
 
 
 
 
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今回お話ししてくださったのは
68歳の女性です。
 
2008年に血液透析を開始され
現在も週3回平成日高クリニックで治療を行っている方です。
 
はじめに自己紹介をしていただきました。
その後質問形式でお話しを伺いました。
 
 
この方の腎臓病は多発性嚢胞腎という病気です。
腎臓に水泡(嚢胞)が沢山できることで
正常な腎臓の組織が圧排され、機能が低下していくものです。
 
 
嚢胞はだんだん増えて、だんだん大きくなるので
腎臓も大きくなっていきます。
 
嚢胞にばい菌がつくことで
高い熱がでたりおなかが痛くなったりします。
 
嚢胞腎の方はこの感染症に悩まされ
入退院を繰り返す方も少なくありません。
 
 
大学病院に通院されていましたが
腎機能が低下しいよいよ透析が必要になったということで
当院を紹介されました。
 
 
現在は当院の併設クリニックである
平成日高クリニックで血液透析を受けていらっしゃいます。
 
 
 
 
質問形式のところをご紹介します。
 
 
 
 
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Q:嚢胞腎になったのはいつですか?
 
A:30代の頃に、会社で人間ドックを受けてみつかった。
痛い、苦しいなどの症状は全く無かった。
45歳を過ぎた頃から、だんだん腎臓が大きくなってきた。
 
 
 
 
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Q:腎不全、透析が必要といわれた時、動揺はありましたか?
その際の気持ちはどうでしたか?
 
A:嚢胞に感染して3週間ほど入院していたこともあり、悪くなっているという自覚症状もあったため、わりあい冷静にに受け入れられた。
             
 
 
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Q:シャントの手術はどうでした ?
 
A:先生に、お任せだった。
手術も30分程度と短く、献血しているような気持ちで出来た。
 
 
 
 
Q:シャントをつくって、日常生活での注意点はありますか?
 
A:2kg以上ものもは持たないようにしている。
家族の協力があるため、不便には感じない。
温泉やプールに行く時は、水の中には入れないようにしている。
大事にしている。
 
 
 
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Q:仕事はどうですか?
 
A:62歳まで勤めていたが、だんだん大ごとになっていったので、やめた。
嚢胞に感染を繰り返すので入院も多いが、感染症が治ってるときは元気に出かけられるため、旅行を楽しんでいる。
透析のおかげで、旅行にも行けるよう になった。
 
 
 
 
 
 
Q:気持ちの切り替えは?
 
A:家族に感謝しながら、のんびりと過ごしています。
家族に協力してもらっている。
 
 
 
 
 
Q:週3回通うことには、慣れましたか?
 
A:ストレスはない。
1日おきに仕事に行っている気分。
友達もできて、話が合うし、楽しい。
精神的な負担はない。
 
 
 
 
 
 
Q:まわりの人には、いつ話しましたか?
 
A:家族、兄弟、友達にはすぐに話した。
近所の方は心配してくれるが、近所付き合いで気になったことはない。
 
 
 
 
 
 
 
Q:食事(外食)で気を付けていることはありますか?
 
A:果物も野菜も、塩分の濃いものも全部好きなので、全部食べている。
 タンパク質の食べ過ぎは気を付けでいる。
 
 
 
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こんな感じです。
最後にこの方から皆さんにメッセージがありました。
 
 
 
 
『透析をやって元気に過ごせています。
毎日楽しいです。
週3回縛られると思うかもしれませんが
仕事にいってると思えば何のことはありません。
スタッフやほかの患者さんとも仲良くなるし、楽しいですよ。
もし迷っている人がいるなら、大丈夫です!!
私でも平気なんですから、安心してください!!