私からは
『透析導入時期』
と
何かと行事が多く腎臓に負担がかかりやすい
『年末年始の過ごし方』
についてお話ししました。
まず透析導入時期ですが
一般的には
腎機能が10%以下となったら透析療法や腎臓移植の適応がでてきます。
腎臓の働きが十分でなくなり、体に余分な水分と毒素(老廃物)がたまってしまうからです。
以前は
血清クレアチニン値と、尿毒症症状などを
総合して導入時期としていましたが
現在は糸球体濾過量:eGFR値で判断するので
以前より早い段階で導入するケースが増えてきました。
また
糖尿病や心臓病などの有無によりクレアチニン値が2mg/dl程度でも
むくみや心不全の制御ができず
透析を開始しなくてはならないこともあります。
なので
一概にこの時点で透析療法を開始しないといけない
というのは難しいんです。
え
そんなことはわかってる![!?](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/177.gif)
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では
世界で報告されている論文などを参考にしてみましょう。
透析導入後も元気に生活するためには
尿毒症症状がなければ
腎機能(eGFR)が4~8%程度で透析を始めるのが妥当とされています。
ただ頑張りすぎるのもよくありません。
尿毒素のせいで、体の細胞は日に日に弱っていくのですから。
尿毒症症状がなくても
腎機能(eGFR)が2%までには透析療法を開始したほうがいい
とされていますよ。
またアクセス・血管のことについてですが
腹膜透析の話は置いておいて
血液透析に限ってお話しすると・・・・・・
透析に必要な血管の手術(シャントやグラフトの作成)は
いつまでに行っておくのがいいのでしょうか。
こちらも論文から考えてみますと・・・・・・
透析を開始する30日前までに手術しておくのがいいとされています。
遅くても2週間前までに行う必要があります。
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手術した血管が発達し、透析に耐えられるようになるまでに時間がかかるからです。
あらかじめ手術しておかないと
緊急で透析を開始する際
首などの太い血管に管をいれて透析を行う必要がでてきてしまうんですよ。
この際は
体にかかる負担が多いためでしょうか
元気でいられる期間が短くなると報告されています。
日高病院のように
血管を専門としている腎臓外科などがある施設では
しっかり管理できるので
手術してそんなに時間をおかなくても透析に使用することもあります。
でも
血管を専門にしていて、その後も細やかなケアをしてくれるところは
滅多にないので
あらかじめ作成しておくに越したことはないでしょう。
担当の医師から透析開始や、手術を勧められたら
これらを念頭に考えてみてくださいね。
まだまだ続きます