『リン』に気を付けていますか?
高リン血症は
慢性腎臓病患者さんの死亡率を上昇させることが知られています。
原因として
高リン血症により心肥大を起こすFGF23の上昇が誘導される
ことが挙げられます。
また
リンが高いことにより動脈硬化も進行しやすくなるので
脳や心臓など血管に関係が深い臓器に負担がかかることも
予想できます。
あまり有名ではないけど大切な『リン』
タンパク質の制限はお話ししてきましたが、
『リン』についてはあまり触れてこなかったので
今回は『リン』の制限についてご紹介します。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20190829/11/jinzouhakase/b7/fe/g/o0184018114556942529.gif?caw=800)
『リン』はほとんどの食品に含まれています。
また
食品な中の『リン』の含有量とタンパク質含有量は
強い相関関係がみられます。
なので、タンパク質を制限すると、
自然とリンの過剰摂取を抑えることができます。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190829/11/jinzouhakase/28/23/g/o0068005114556942534.gif?caw=800)
『CKDガイドライン』では
タンパク質は標準体重1kgあたり0.6~0.8gとなっています。
リンはタンパク質1gあたり約1~1.5%含まれているため
タンパク質1g×15 でリン含有量(mg)の目安量がわかります。
たとえば
体重50kgの人では
タンパク質制限は1日30~40g
リン制限は1日450~600mg
体重60kgの人では
タンパク質制限は1日36~48g
リン制限は1日540~720mg
となります。
食べているタンパク質が
乳製品やリン含有量の多い魚介類に偏っていないかなども
チェックしてみてください。
お菓子類を食べ過ぎていないか
そばや中華麺は多すぎないかなども
確認してくださいね!
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190829/11/jinzouhakase/28/b2/g/o0081009314556942543.gif?caw=800)
100gあたりの含有量が多くても
適切な使用量であれば問題ありません。
食品添加物では
乳化剤・肉類結着剤、発酵促進剤、膨張剤、
粘着剤、魚肉練り製品の保水性増加のために
リン酸塩が添加されていることが多いので
注意が必要です。
かまぼこやハムなどの加工食品や乳製品
頭ごと食べる魚などを避けることも大切ですよ!
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190829/11/jinzouhakase/b1/c3/g/o0182013814556942553.gif?caw=800)
腎機能が60%未満になったら、
定期的に『カルシウム』や『リン』『iPTH』値を測定してもらいましょう。
骨がもろくなったり、動脈硬化が進行するのを抑制してくれますよ。
『リンが高くなってきてる』と先生にいわれた方や
もう少し食事療法に詳しく取り組んでみようと考えている方は
『リン』の制限をしてみてはいかがでしょう。
ただし
タンパク制限をしっかりしていれば
自然とリン制限もできますので
気にしすぎないことも大切ですよ~![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/319.gif)
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/319.gif)