検査結果の見方が
書いてあるところと
ないところがありますよね。
ないところはその場で説明があると思いますが
その時はわかっても
案外
家に帰ると
『はて。。。』
となっちゃう人もいるのでは
というわけで
今回は
腎臓かんけいの検査結果の見方を
ご紹介します
尿素窒素 にょうそちっそ BUN
食べたたんぱく質の燃えかすです。
たんぱく質の摂りすぎや
エネルギー不足で自分の筋肉をこわしたときなど上昇します。
胃などで出血してたり
脱水状態でも
あがります。
基準値 8-20mg/dl
クレアチニン cr
筋肉の中のたんぱく質からでてくるゴミです。
ほとんど腎臓から体の外に捨てられます。
そのため
腎機能が落ちると
捨てられる量が減るため
腎機能の低下に合わせて上昇します。
筋肉の量が多い人は
本来のクレアチニン値より高くでるので
注意してくださいね。
基準値 男性 0.65-0.9mg/dl
女性0.46-0.79mg/dl
eGFR
腎機能を評価する指標です。
年齢と性別とクレアチニン値から
求められます。
基準値 90以上 正常または過剰ろか
60-89 正常または軽度低下
45-59 軽度から中等度低下
30-44 中等度から高度低下
15-29 高度低下
15未満 末期腎不全
正常の腎機能を100%としたとき
今どれくらい腎臓が動いているか
ととらえると
イメージがつきやすいと思います
たとえば
eGFR40なら
大体40%くらい尿を作る工場が動いているんだな
と
捉えます。
尿酸 にょうさん UA
プリン体が分解されることででてくるゴミです。
尿酸が体に溜まると
腎機能が低下しやすくなります。
基準値は 男性 3.7-7.8mg/dl
女性 2.6-5.5mg/dl
高尿酸血症の治療ガイドラインも
新しくなり
より腎臓病での治療方法について
話し合われています。
カリウム K
尿から外に捨てられる割合が高いので
腎機能が低下すると上昇します。
基準値は
3.6-4.8mg/dl
低すぎても高すぎても
危険な不整脈がでたり
しびれたり力が入らないなど
やっかいなやつですよね。
腎機能が低下すると上昇しやすいので
高くなったら食事の管理が必要です。
私は保存期の人には
5.5以下に保つよう
お話ししています。
これより高くならなければ
危ないことは
まず起こらないからです
ただ6越えると危ないです。
先日6.2で心停止した人がいました。
幸いにも
目の前にいたのですぐ対応でき
今は元気いっぱい通院されてます
リン P
これも
腎機能が低下すると上昇してきます。
骨の代謝に関わっているため
骨が脆くなったり
血管など骨じゃないところが
骨みたいに固くなってしまいます。
結果心筋梗塞や脳卒中を引き起こしていきます。
基準値 2.7-4.6mg/dl
5.5を越えると
薬が始まることが多いでしょうか。
リンは
その人の年齢や持病で目標値が少し変わります。
私は外来で
リンが4.5を越えると
栄養指導にリン制限を加えてます。
4.3以上になると
心血管疾患が増えると言われているからです。
5を越えた状態が続くときは
リンを下げる薬を
お渡しするようにしていますよ。
アルブミン Alb
血液のたんぱく質の一種で
栄養状態をみる指標として使います。
あまり低いと
血管内に水が留まれなくなり
浮腫んでいるのに
血管はすかすかなんてこともありますよ。
基準値 4.1-5.1g/dl
血圧
高いと
腎機能がさらに低下しやすいので
注意が必要です。
ただ
低すぎても良くないので
持病に合わせた管理がとても大切になります。
尿蛋白のあるなし
年齢
持病で
目標とする値が異なり
多臓器に影響が出やすいため
主治医とよく相談してくださいね
糖尿病が持病にある方は
より低めの目標値になっていますが
この頃の研究で
糖尿病の方の血圧を下げすぎると
腎機能も下がる人がいる
ことがわかっています。
確かにいらっしゃいます。
動脈硬化が
進んでいる人が
当てはまるのではと
言われています。
下げすぎも危険。
動脈硬化がすすんでいる方は、要注意ですよ
毎回検査結果をみて
食事療法をご自身で調節しながら続けましょう。
腎臓病は
自分が一番の主治医ですよ
腎機能は
上がったり下がったり
デコボコですので
今月が悪いからといって
落ち込まないでくださいね
値をグラフにして
遠目でみて
傾きが下がってなければ大丈夫ですよ
とはいっても
寄る年波にはさからえません。。。
肩が上がらなくなったり
膝が痛くなるのとおなじで
腎臓も年を取ります。
一年にeGFRが1-2低下するのは
年のせいもありますから
気にしすぎはダメですよ
最後までお読みいただいて
ありがとうございました
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