錠数が多いとか
味が自分に合わないとか
水を必要以上に飲まないといけないとか
かみ砕けないとか
いろいろ不都合があり、評判はあまりよろしくないことが、実は結構あります。
今回リン吸着薬の中で、口の中でかみ砕いて服用していただいていた『ピートル チュアブル錠』が、服用しやすい顆粒状になって新発売されたのでご紹介します
その前にリン吸着薬(ピートル顆粒もこれ)の説明を
腎機能が低下してくると、尿に排泄するリンが減り、血液中のリンが増えます。腎性異栄養症の状態です。
こうなると、骨から血液にカルシウムが運び出され骨はもろくなり、溶けだしたカルシウムと血液中のリンがくっついて血管の壁に沈着します。
結果、血管が固くなります。
通常私たちの血管は、ゴムチューブのように弾性に富むものです。
心臓から勢いよく出てきた血流を一気に体中の血管に流すのではなく、血管を膨らませて一時プールし、徐々に送ることで、上と下の血管を程よく保ち、各臓器にまんべんなく血液が渡るよう調節しているのです。
そこに、カルシウム・リンがあわさったものが血管に張り付くと、血管自体が固くなります。それこそガラスみたいに。
ゴムチューブは高いところから落としてもぴんぴんしていますが、ガラスはぱっきり割れます。固くなったガラスのような血管は、血圧に耐えられず割れたり割けたりしてしまいます
これが大動脈解離です
また血流を一時プールすることもできないので、高い血圧はもっとあがり、低い血圧はさがったり
します。
そうすると、低い血圧の時血流を得ていた臓器は血流量が減って酸欠状態となり徐々に弱っていきます。
そうすると、いろんな不都合が全身で起こってくるのが予想できますね
そうならないために、カルシウム・リン・PTH値を良好に保つ必要があります
前置きが長くなりましたが
リンを程よい値に下げるためには
食事療法
透析療法
薬物療法 が重要です。
この薬物療法でがんばるのが、リン吸着薬:今日のお話しです。
当院で採用されているリン吸着薬は
沈降炭酸カルシウム
ホスレノール
リオナ
キックリン
そして、今日のピートルです。
ちなみに、この中で鉄が含まれるのがリオナとピートルです。この二つは服用すると便が黒くなります。
先日のお話しにでた便が黒くなる薬に含まれますよ
以前はチュアブル錠といって、水なしで服用できるのが売りでしたが、『かみ砕く』という行為が難しくなってきた方が増えたこと、味が好みに合わないなどで変更を希望される方が少なからずいらっしゃいました。
今回の改変では、”顆粒”になったので、噛まないことで味がなく、口の中で溶けないので余計な水分も飲まなくていい点が、すごいですね。
私も服用してみましたが、確かに味はなく、水も少しで済みました
一個一個がタブレットになっているそうで、マイクロタブレットというんですって。
溶けるのにかかる時間は11~16分くらいだそうなので、胃の中でゆっくり溶けていくようです。
包装は、上下どちらからでも切れ、あまり力をこめなくても切れましたよ
製薬会社さんは患者さんがより服用しやすいよう、より効果がでるよう日々取り組んでいるので、今使っている薬もより使いやすくなってきますね。
先日クレメジンも新たな剤形がでたので、後日ご紹介します。
お楽しみに
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