腎臓病治療で処方される薬には、便秘や下痢になる薬が結構あります。
口にしないけど、困っている方も少なくないのではと思います。
今日は便のお話をしましょう。
まず
便にはどんな種類があるかみてみましょう。
便は大体7種類に分けられます。
便は自分の体を表す鏡です。
毎日自分の便を確認しましょうね
便秘傾向
コロコロ便(硬くてコロコロのウサギのうんちみたいなヤツ)
硬い便(ソーゼージ状だけど、硬い便)
正常な便
やや硬い便(表面にひび割れのあるソーセージ状の便)
普通便(表面がなめらかで柔らかいソーセージ状、あるいは蛇のようなとぐろを巻く便)
やや柔らかい便(はっきりとしたしわのある柔らかい半分固形の便)
下痢傾向
泥状便(境界がほぐれて、ふにゃふにゃで不定形の便)
水様便(水っぽく、固形物をあまり含まない液状の便)
便秘のときの主な症状は
排便回数が減る
便の量が少ない
排便後、便が残っている感じがする
硬い便、またはうさぎ糞状便
お腹が張る
強くいきまないと排便できない
そうはいっても、排便は個人差が大きいので、回数が少なくても不快感がなければ必ずしも便秘と考える必要はありませんよ
便秘の原因は
一般的には、運動不足や水分・食物繊維不足が多いです。
血液透析をされている方では、水分や食事の制限、薬によるもの、透析そのものによるものなど特有の原因もあるんです。
尿量が減ったり、心不全傾向の方は、水分摂取量はここまでと指示をされている場合がありますね。
この場合も便が硬くなりやすいです。
カリウム制限。
野菜・果物摂取が減ることで食物繊維減少から便秘。多いパターンです。
リン吸着薬の服用をしている方は、薬の副作用で便秘も起こります。逆に下痢になりやすいP吸着薬もあります。
他にも便秘になりやすい薬が
尿毒症症状を抑える薬。
尿の量を増やす薬。
カリウムを下げる薬。。。
薬を必要とする時期は、体も便秘になりやすくなっているのでダブルパンチです
でも必要だからこそ処方されている薬ですから、自己判断でやめてしまわず、必ず主治医に相談してくださいね
透析による生活リズムの変化も大きいです。透析中に便意を催さない様前日は下剤を服用しないとか、透析中トイレに行きたくても我慢してしまうとか。
だんだん便秘が習慣化していきます。
血液透析の除水も腸管内水分を減少させることで便秘を引き起こします。
つらい便秘に立ち向かうコツをお話します。
基本は、負担のない簡単な運動やストレスをため込まない日常生活、便秘を我慢しない生活を心掛けましょう
簡単な運動を取り入れましょう
できるだけ歩く
ラジオ体操する
お腹のマッサージをする
仰向けになって、写真のようにお腹をなででみてください。
生活リズムの改善も大切です
便意を我慢をしない
便意がなくても朝食後にトイレに行くのを習慣づける
腹部を温める
など
それでも改善しない場合はどうしましょう
便秘を改善する薬は色々あります。
便を柔らかくする薬(腸の水分を増やす)
腸を刺激する薬(便を送り出す動きを活発化します)
漢方薬も含め、便秘の治療薬はたくさんあります。
自分にあった薬がきっとありますので、一度や二度処方してもらってだめだからとあきらめず、何度もいろんな薬を試すのもいいと思います。
便秘が悪化すると、腸が詰まってしまう腸閉塞や、穴があく消化管穿孔、腸に血が足りなくなり出血したり腸がくさったりするなど、重大な病態につながる可能性があるので、ほっておかず、しっかり相談してくださいませ
今日は鳥居薬品さんの資料からご紹介しました。
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