ユア・ソング〜君の歌は僕の歌〜95 | GIN@V6〜since20xx〜

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You've got the best choice!!

 

たまに、こっちも更新しないとなー口笛

なぁんて思ったので、今日はこちらで

 

 

前回は一か月以上前…滝汗こんなんばっかでスンマソン

 

 

ユア・ソングの94

 

 

 

 

 

***********************

 

 

 

 

「は?潜入?」

 

なんだそれ…テレビドラマじゃねーんだぞ

 

 

「映画とか小説じゃあるまいし…本当にそんな事あるのか?」

 

 

そうっすよね、代表

 

おい岡田、冗談なら止めとけ

俺ら今、そんな気分じゃねぇんだよ

 

冗談はヨシヒコ!…ハハッ、なんつって

 

 

あ……さーせん

 

 

 

 

…あん?

 

真顔で頷いた…

っつーことは、ホントなのかよ

 

まぁ、さっきの様子からして、お前が警察の人間なのは間違い無ぇだろうけど

 

でも、潜入って…

 

 

俺ら、やましい事なんかなぁんもしてねーぞ

一体、ウチのなに探る気…

 

 

へ?

同僚の刑事がどうしたんだよ

 

そもそも、そいつが潜入捜査してて?

 

 

あぁ…知ってる、知ってる

その組、関西じゃ名の知れたバリバリの極道だろ

 

ニュースでよく見る名前だもん

 

 

へぇ…

 

その組がクスリの取引を……ほぉーん

 

 

で、証拠のブツ押さえた所で、警察と組の両方を裏切って、ブツ持ってトンズラ

 

 

ふーん…

そいつ馬鹿か?

 

 

「極秘で追ってはいたんですが、潜入自体、違法行為ですから大っぴらには出来なくて…」

 

 

けど、もたもたしてたら先を越されて、証拠ごとタマ取られちまう

 

まあ…だろーな

 

 

関東方面にいるって情報は掴んだけど、表看板で動く訳にもいかねーから、今度はお前がウチに潜入

 

 

 

ふーん…なるほどね

 

木を隠すなら森の中

 

ヤクザが隠れるなら、ヤクザの中で

そんなヤクザを探す為に、自分もヤクザの中入って来たってか?

 

 

でもさぁ、そんな上手くいくか?

 

だいたい、俺ら、そういうヤバい奴らとはお付き合いしない事にしてるし

横の繋がりなんか何もねーし

 

 

っつか、お前、何か捜査っぽい事してた?

俺、全っ然気付かなかったけど

 

 

 

「坊ちゃんが井ノ原さんに送って来た写真。アレに奴が映り込んでたんです。居たでしょう?坊ちゃんの肩のここら辺に」

 

 

え、嘘…そうなの?

俺、坊ちゃんしか見てなかった

 

 

代表、気付きました?

あ、ウルウルしちゃってたから分かんねーか。アハハ

かなりしてたもんね?ウルウル

 

 

 

「すぐに公園に向かって、辺り探して……ようやく見つけたのに…

 

てっきり、坊ちゃんと森田だと思いました。背格好が似ていて、躊躇して…でも違った」

 

 

ん?

 

「そーだ。お前そん時、現場に居たんだよな?」

 

 

「はい…その場に居ながら、俺が一歩遅くてこんなことに…」

 

 

「ちょっと待てよ。出遅れたにしても、何で森田放って逃げてんだよ」

 

 

「急所は外れてましたし、救急車も要請して、坊ちゃんが駆け付けてくるのも見えたんで…とにかくヤツを掴まえない事には…」

 

 

「はぁ?だからって…お前、警察だろ」

 

 

岡田に詰め寄ろうとした俺の肩を

代表が掴んだ

 

 

「ヤケになってる奴ほど怖いもんねーからな。凶器持ったままだったんだろ?」

 

 

まぁ…な

 

そいつ、もともと警官だし

腕っぷしも強いんだろうし…

 

逃がして被害者増やす訳には…いかねぇか

 

 

 

「なあ岡田…まさかとは思うが、そいつの狙いが本当は健だったって事は…」

 

 

だ、代表、なに言ってんすか

まさか…んな事ねぇよな?

 

 

「…それは、俺も考えました。もしかしたら、奴のバックに誰かついていて…もしかして、ウチが狙われていて。そうなると、アイツはしくじった訳だから、消されるか…もう一度坊ちゃんを狙ってくる」

 

 

岡田…今、「ウチ」っつったな

 

 

「でも、無いと思います。調べはこれからですけど、ウチは反社って呼ばれるような組織じゃないし。狙われる理由がない」

 

 

また「ウチ」っつったよな

 

フッ…そっか、ウチか

 

 

 

「代表、今まで黙っていて、本当に申し訳ありませんでした」

 

岡田が深々と頭を下げた

 

 

…ったく

スーツなんか着ちゃって、堂々として、どっからどう見ても立派な刑事じゃねーか

 

 

あーあ、無口でシャイな俺の舎弟はどこ行っちまったんだか

 

もしかして、無口だったのはその真面目な口調がバレねぇようにする為か?

 

ハッ…役者だな

アカデミー賞もんだぜ

 

 

 

「でも、なんでウチに?他にいくらでもあるだろ」

 

あ、そうそう。そこっすよね、代表

で?なんでウチに?

 

 

「下手に核心に近づかないようにっていうのもあったんですけど、お父さんが是非にと…」

 

 

「お父さん?」

 

代表…頭にハテナ乗っけたような顔してる

どうやら代表の知り合いじゃないらしい

 

なんで突然お前の親父が出てくんだ?意味分かんねぇんだけど

 


一瞬、「しまった」って顔をした岡田がしどろもどろになりながら言った

 

 

「あの…三宅会長は、私の父で…」

 

 

 

……は?

 

 

「会長って…ウチの爺さん?」

 

 

俺のつぶらな瞳と、代表の鼻が

 

これでもかってくらい大きく開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長野さん、どこ行ったんだろ

事務所に連絡してくるって出てったまま、戻って来ない

 

仕事の調整とか、大変なのかもな

 

 

 

剛がウトウトし始めた

 

お医者さんの説明じゃ、しばらく麻酔が効いてるはずって言ってた

 

 

さっきは、たまたま目を覚ましただけで、ホントはまだ麻酔醒めてないんだろう

 

 

 

「ごぉ?ゆっくり眠ったらいいよ」

 

握っていた剛の手を布団の中に戻そうとした

 

 

ん?

 

まだ力が入らないのか、指先がちょっと動いたぐらいだったけど、剛が俺の手を掴もうとした気がして

 

自分の手ごと布団の中に収めて、剛の手を握った

 

 

 

大丈夫

離したりしない

 

俺、ずっとここ居るからね

 

 

おやすみ

 

 

ユア・ソング95