具体的な例を異なるステージで二つ説明しましょう。
例 1(基本ルールを身に着けるステージ)
消去算
 ってご存知ですか?
「鉛筆3本と消しゴム2個で250円で・・・・」というイメージでしょうか。
ある意味正しいのですが、私が言うところの
基本ルールとしての消去算
(1)和の式の組み合わせ(これが、上のイメージでしょう)
(2)差の式どうし、もしくは和の式と差の式の組み合わせ(差式とはA×5-B×6=350のよう)
(3)多元(未知数多数)問題の表化 と表の利用のしかた。
(4)比化消去算(Aの3割と、Bの20%の差が320・・・など)
(5)つるかめ算・過不足算への利用
(6)平面・立体図形への利用
などをきちんと整理して自分の体系の中にとりこむことを言います。
だから、「消去算ってどんなのあった?」って聞かれたら、何も見ないで,これを全部答えられなければ(もちろんそれぞれの標準的な問題もきちんとイメージできないといけませんが)基本ができてるとは言えないのです。
例 2(基本ルールの利用のステージ)
算数で,図形の平行移動 という分野があります。独立した分野のように思われていますが,実は違います。
この分野で用いられる基本ルールは大きく捉えて3つあります。
 1,通過算的な速さの考え方。
 2,平面図形の基本的な性質,特に相似(辺の比相似です)
 3,点の移動であつかう 点の速さ→面積変化の速さ の単位変化  です。
 ですから,「図形の平行移動」といっても何も新しい考え方などないわけです。
 それぞれの基本ルールをしっかり見に付けている生徒にとっては,単なる,複合問題ととらえられるはずで,実際私も生徒達にはそのような意識付けをしています
 
 このような分野の問題はむしろ,難しいほうが解く意味があります。
算数ではこのような分野が「数多く」存在します。
 おわかりでしょうか?
「数多く」ある全てのものを独立して扱っていたのではきりがないのです。
 ましてや,全てを暗記で身につけようなどの考えは能力の無駄遣い以外の何物でありません。
(いるんです,こういう指導をされる先生達,けっこう。そういう先生方の特徴ははっきりしています。独立分野として扱って、その上「図形の移動はむずかしいぞぉ!」ってな感じですからね(笑)) 
 問題に臨む意識も,「図形の平行移動」の問題を解いているのと,「基本ルールを組み合わせて」目の前の問題を解いているのではまるっきり違います
。 
 
試験当日の問題に対する処理能力という観点で考えればもっとはっきりしますね
 それにしても,塾の配る教材の多さったら(笑),やればできるとでも思ってるんでしょうか。
そうじゃないですよね。結果,できる子だからやれるんであって(かなりできる子は逆に馬鹿にしてますよ。同じもん配るなよ!!とね。)
もともとそこまで到達してないのに,量だけあってもねぇ。