真の応用力とは,単なるひらめきではありません。
全体を大きく体系的にとらえているかどうかです。
簡単に言えば,問題を見たときに
自分自身の中からアイデアを引き出す力
です。
「ひらめき」のシステム化
とも言えるかも知れません。
では,この力,一体どうしたら着けることができるのでしょう?
ヒントは,前述した
「全体を大きく体系的にとらえているか」です。
単なる抽象論っぽく聴こえるでしょうか?
もう少し具体的に話を進めましょう。
中学入試(だけではないんですが比較的わかりやすいので)を例にとります。
ある問題があり,それを,塾ではその解き方を教え,ある場合は別解も教え,それに基づいて課題をこなしていく繰り返し(これが通常,塾のカリキュラムベースの授業ですね。)から,見慣れない問題(応用問題とでも言いましょうか)を自力で解く力を本当に身に着けることができるようになるのでしょうか?
せまい出題範囲であったり,パターン化された問題なら暗記訓練でなんとかなるかもしれません。
私が言ってるのは,入試会場当日の状況です。
「我が子はそうなってほしい」「試験当日はそうあってほしい」と祈ることしかできないのでしょうか?
いいえ,祈るのではなく,
そういう思考回路を計画的に作り上げる
のです。
ごく一部のよくできる子は,通常の塾のカリキュラムベースの授業の中から自分自身の力でそういう思考回路を作り上げていきます。実戦で最も大事なことだと無意識にでも分かっているからです。
ところが平均的なレベルで言えば,どんなによく考えられたカリキュラムでも,この思考回路,つまり,
ある問題をその範囲全体の中で位置づけて,その上で解法を選択すること,
を身につけることまでは無理でしょう。
では,どうしたらこの力を身に着けることができるのでしょうか。