勉強は本来、「一を知れば、二が分かり,二を知れば,四が分かり、四を知れば八が分かり、………」というように
乗数的効果を期待できる方法と意識を持ってやるべきものですが、初めは特に時間がかかります。
これは、「一を知る」段階-基本ルールの学習段階を徹底的にやる必要があるからだということは既に述べた通りです)
そして多くの失敗はこの段階の不徹底・妥協にあります。
この段階を前述したようなコンセプトで、丁寧にやっていくことで、必ず、後の時間の学習は初期段階よりも高密度の学習となり乗数的加速的な効果が期待できるようになります。
ただし,ここで見逃してはいけない大事な点が二つあります。
① 成長度・・・加速効果を考える上で、中学入試段階では成長の度合いを無視できません。
一人一人の子供の個性・能力・成長度に合わせて、その子が現在、何をどの程度学習することがその子にとって最も加速効果を期待できるかを考えなければなりません。
具体的には,塾のカリキュラムの再構築が必要になることも考えた方がいいでしょう。テキストの扱いも考えなければならないかも知れません。
成長度を無視して先に進むだけの勉強はけっして良い結果を生み出しません。
何度繰り返しても,またできないの繰り返しになるだけです。
先に進むためには,その地点(時点)までの到達度を確実に測られなければならないのです。
だから,こんなこと言っていいのかどうかはわかりませんが,大手の塾のカリキュラムについていける子なんておそらく1%もいないですよと。
カリキュラム競争ってご存知ですか?うちの塾は進んでいるとかで他塾のカリキュラムよりはやい進度の自慢大会(笑)です。生徒の能力の無視も甚だしいなんてもんじゃない。
それでも,塾に通う子がほとんどです。私の生徒もそれが大半です。子も親もカリキュラムに追われてます。
でも,私はクールです。全体が見えてますから。「今は~までしっかりできるようになりましょう」と提案します。
もちろん到達度まで含めてです。
丁寧に,しっかりと時間を使いましょう。
逆提案もありますが,困るケースはこういうものです。
「易しい問題だけでもできるように」というものです。おそらく易しい=基礎とお考えなのでしょうが,そうじゃないことはご説明の通りです。
今だけじゃなく,将来的にどういう状態が「できる!!」って状態なのかを自己判断できるようにと考え,指導に当たっています。
今やっていることはもちろん「基礎」には違いないですが大事なのは適年齢な「素材」なのかどうかということじゃありませんか?
学年が進んでいっても大事なのは自分の「できてる・できてない」の客観的な判断ができることが大事なのです。
そこから「何をどうしなければならない」が見えてくるのですからね。
話がちょっとそれがちになりましたが,とにかく自身ではできる子は多くはないですから,助けつつ意識を促すというのが私の存在意義です。
② 素直さ・・・これは重要な要素でありますが,難しいです。
塾で言われたことを言われたとおりやること。とても大変なことだと思います。
ここでは「素直さゆえに苦しみ」を味わうことになります。(素直じゃない子は成績面で苦しむだけです。)
私との出会いはそれだけである意味何らかのトラブルを抱えての結果ではないですか?
そのトラブルをなんとかしようとするとき「素直さが大きな要素・武器」になります。逆にせっかく私と出会っても今までどおりいつまでも塾の言うとおりにしていると,(もちろん不勉強もですが(笑))ほんとにいつまでも成績が伸びません。
正直言って,家庭教師派遣会社を通して紹介を受けた生徒はこの傾向が強いです。無理も無いかもしれません。初めの出会いが営業担当者ですから,「こうすれば伸びますよ」が聞こえてないのですから。提案があったとしても誰もが言えるような当たり前のことばかりでしょう。それでもなんとか頑張って何度もこちら側に引きつけようと試みます。それも仕事です。
でも,これだけは約束です。
「塾と同じ方法で教えて」とは言わないでくださいね。
また、できなくなるかもですよ。そもそもそこがトラブルの原因であることが多いですから。(無論理解が及んでないケースであればそこからですが。)
今までのお話でおわかりでしょう。「できる!!・できた!!」その正しい判断力こそが実践につながる大きな財産になるのです。