ひらめきのシステム化(2)
では,この力,一体どうしたら着けることができるのでしょう? はっきり言って,低学年的な部分的な段階では無理というか意味がありません。全体がせますぎるからです。逆に言えば,せまい範囲ではできるのに範囲が広くなるとできなくなる比較的「真面目」な子,多いですよね。 この全体が広がってきたときからが勝負どころなのです。 一つだけ私自身の算数の授業の例を挙げましょう。(具体的な難問題ではありません。あしからず。) 私:「角度」の問題ってどんなのがあったっけ? 生徒:180°使ってどんどん書き出すやつとか・・・ 私:そういうのは,もうできるよね。そうじゃなくて,今までつまづいた記念的な問題だよ。思い出してごらん。 生徒:んン・・・・? で,ここから,平面図形全体の中での角度問題の全体,その解法のアイデアを具体的な問題(といっても10問くらい)であっさりとまとめます。 で,次の段階が大事!!! 「今の授業,何にも見ないで,何勉強したか言ってごらん。」 これが,きちんと言える子は,もう角度問題のプロ。 なんで,そんなんで?と思うかもしれませんね。 ところが,「あっさりとまとめた」授業,実は奥が深い!! 「この問題,普通に180°使ってもできないよね?でもできないのに問題になってるよ。別のアイデア必要なんじゃないの?こんなときはね,図形の中に○○○○か○○○○があるに違いないって,先回り発想するんだよ」 発想力そのものの授業だからです。ただ,やはり,次の段階が大事!!!「今の授業,何にも見ないで,何勉強したか言ってごらん。」これが,きちんと言えなければ,発想力は鍛えられません。 これをある段階で全分野でやる。私は。 時期的には,一年間受け持つとしたら,最もやっかいな分野で6年生の夏ぐらいからでしょうか。 平均的なレベルの子でこれを自力でまとめられる子は多くありません。 さらには,このこと自体の重要性を感じている先生も多くはないし,指導力もどうでしょう。 生徒の質問に回答するだけで終わってません? で,この段階を経てからが本当の意味での「演習」。 演習の一問一問が力になっていく。実践力を鍛えていくことになる。 それまでの演習とは明らかに意味が違ってることに生徒自身も気がつき始めます。 特に6年の2学期以降の入試問題の演習時期になると、「応用問題・複合問題」に接する機会も多くなり、自分の弱点を「~算」のような分野基準で図ることができなくなります。まじめにやってはいるのに、成績が伸び悩んでいる生徒・二番手に甘んじている生徒の多くは原因がはっきりしています。もうおわかりですね。私の授業を受けられない生徒も大勢います。こんなことやってみて下さい。ある分野も問題を,解き方の共通性で,分類してみてください。何をどうやったか紙に整理してみます。それをイメージで問題のタイプと解法をセットでを言葉にしてみましょう。意外と思い出せない部分が多いことに気がつくはずです。この作業の最も大きな効果は、全体を大きく捉えられることです。 初めて見た問題も同じフィルターで見られるようにもなります。 だから,二度目以降の復習に時間がかからなくなります。また,私のHP内でも発想力を鍛える大きなヒントを掲載してあります。よく読んでみて下さいね。