【2】あなたは両親にどんな役割を求めるか  ーお手本としてー | 中国語エッセイの本棚

中国語エッセイの本棚

中国の雑誌『読者』を
中心に中国のエッセイを日本語に訳すことをメインに
中国人学生との交流や中国に関することを書いています。

中国の学歴社会の競争率は

日本の競争率とは比べ物にならない。

高い教育を受けさせ、重点大学に入れたい、

そう願う親の気持ちは同じ親としてよくわかる。

 

今回の記事は

ご両親の厳しさに悩む中学生の話の返答の代わりに

何かヒントになればと渡す予定の文章を訳してみました。

 

______________________________

 

ーお手本としてー

 

お手本とは子どもの生命の最初から最後まで重要な役である。

いわゆる「口先ばかりで行いが伴わない」

両親は自分を手本として子供に道徳や人間性、文化素養、習慣を伝えていくもので、

それは1万句の道理よりも大きく影響する。

 

ご両親のみなさんは想像してみてください。

もしあなたの同僚がいつも自分の能力をひけらかし、

実際に仕事では手抜かりが百出る、破綻だらけで

一方の同僚は、口が下手で、目立たないけれども、仕事となると並外れている。

あなたは「最も優れた従業員賞」をどちらに与えますか。

 

手本としての効果はとてもわかりやすく、多くの親が身をもって体験し、

努力し続けることを好まない。

例えば、ある親は子どものスマホ使用を制限するが、

自分は仕事のあとソファーに倒れこんでスマホゲームをしている。

ある親は子供にテストで焦るなと言い、気楽に臨ませるのに、

子どもの成績の話になるとしきりにため息をつき、心配でたまらなくなる。

ある親は子どもに人に対して良いことをしなさい、積極的に交流をしなさいと教育

しているものの、夫婦の関係は緊張しており、いつも罵り合っている・・・

 

手本として、言うは易し。

「子どもになってほしい姿をあなた方がやってみせなさい」

親は子どもの見本で子どもの鏡でなければならず、

至っては憧れでなければならない。

しかし、やってみるととても難しい。

手本としての意味は、両親はひとりのときでも誠実であること、裏表なく

あることで、それがいったん子どもに見破られると、大変なことになるのだ。

 

私の周りにはこのような親がいます。

私の大学の先生はいつも子どもを事務室に連れてきて、彼が文献を読んでいるとき

子どもは横で静かに宿題をしている。

ある先輩は長男が次男にやきもちを焼かせないために、二人を比較することなく、

弟の面倒をみなさい、ママの言うことを聞かないと知らないとも言わない。

そうして、いつも次男の前で長男を誉め、「弟、早く見て、お兄ちゃんすごいのよ。

お兄ちゃんすごいねって応援しよう」と言う。

ある同僚は子どもに音楽理論を理解させるために、もともと素人でよくわからないことを子どもと一緒に勉強しはじめた。

 

手本となるということは簡単なことではないが

しかし手本となる立場の果たす役割はとても大きく

知らず知らずに子どもが観察して身に着けようとして成長できる。