客層が…… いち太 外苑前 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

店主もスタッフも好人物で、料理も気に入っている。

とても良い店なのだが、しかし客層には難がある。

人様のことをエラそうに言える立場ではないが、しかしこの店に来る客は、なぜにあれほどまで騒がしいのか?

個室はまあ仕方がないかもしれないが、それにしてもパリピのウェイウェイがいつも響いている。

そして問題は、カウンターでうるさい輩たち。

今回の訪問時には、清川虹子似のド派手おばさんとその旦那?が、デカい声でしゃべりっぱなし。

カウンター内の全ての料理に、飛沫をまき散らしているかのような状況なので、とても衛生的とはいえない。

 

一番笑ったのが、サンマが焼けた時のこと。カウンターの客全員の分が並ぶサンマに向かって、「ぅわたしのさんまぁぁぁ!!!」とひと際デカい声で叫んだのだ。「オレのもやるよ。全部食えよ、おばさん」と心の中で苦笑してしまった。

 

コース2万円からの料理を出す店なのだから、常連の質も問われるというもの。

お店を大事に思うなら、せめてカウンターではほどほどの音量で会話して、料理を優雅に楽しむように努めるべきであろうが、食事中にガンガン携帯で通話する、あのサンマおばさんには無理だろうな。

 

毛ガニを青菜。無難なスタート。

前回は鰻だった揚げ出し。今回は、柳鰈と生バチコ。柳鰈は一夜干しで食べるものとの固定観念があったが、これは身も厚めでふっくらとし、とても上品な味わい。生バチコのハードパンチとは対照的。

広島の松茸と山口のアマダイのお椀。ここの吸い地は、やや味がのりすぎているきらいがある。特に、一塩したグジからも塩味が滲むのだから、その分も引いた淡さにした方がよいかと。

大分のカワハギ。ペースト状の肝をかけ、さらにぽん酢ダレをとろり。少し身の締まりが緩んでいるような。

藁の火で炙った鰹は、対馬産。「戻り」で「迷い」、ということのよう。これは脂のノリも抜群で、塩すだちで食べると素晴らしい。

前回も食べたフカヒレ天ぷら飯蒸し。バカ騒ぎ族がいかにも喜びそうな組み合わせである。

おばさんが絶叫したサンマ。骨を抜いて、肝を挟み込んで焼かれている。旬の終わりになって、ようやく旨いサンマにありつけた。

はまぐり、壬生菜、いくらの和え物。ありそうで、ない組み合わせ。

京都の海老芋と雲丹。岩のりのあんかけ。雲丹はなくてもいいかも。海老芋とあんだけでも十分うまい。

この後、蕎麦と水菓子だが、割愛。

 

大人が集うカウンター割烹に、脱皮することを願ってやまない。