ポツンとイタリアン ダ・オルモ 神谷町 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

行ったこともないし、良く知らないが「スガラボ」なる店は、神谷町にあるのだろうか。

そうだとすると、それは例外として、神谷町は結構な食の不毛地帯のような気がする(感想には個人差があります)。

このブログで紹介したことがあるのも、「おかもと」 という日本料理店と、もう1軒、この「ダ・オルモ」くらいだと思う。

 

久々に出かけてみたのだが、まず費用対効果が悪くない。

コロナなどの影響も受けず、以前のままの価格設定で続けているようだ。

前菜盛り合わせ、パスタ2皿、メインとデザート、これにグラスワインを結構飲んで、グラッパで締めて、1人1・5万円で収まった。

 

アルト・アディジェ州という、チロル地方、オーストリアとの国境付近の地域で修業したというシェフの料理は、際立ってシンプル。

北イタリアというと重い料理のイメージだが、日本人向けに軽く仕上げているのだろう。いや、そもそもそれほどアルト・アディジェっぽくはないのだが。

グラスワインは自然派系の個性的な品ぞろえ。好き嫌いは分かれるところだろうが、こだわりは強いと感じる。

 

前菜盛り合わせからして、至ってシンプル。手前から時計回りで、イサキの叩き風、牛の叩き風、肉のパテ、マグロのコンフィに、落花生。

「なにこれ、映えないじゃない」と思うかもしれないとが、食べてみると、しっかり美味いのだ。特にマグロ。しっとりとしたテクスチャーで、しっかりとマグロの風味が伝わってくる。

見たまんまの、ポルチーニのパスタ。なんというか、「何も足さない、何も引かない」的なパスタである。モノが悪かったり、塩加減がズレてたりするとすぐバレる作り方だから、一周回って難しいし、出すのも度胸がいるだろう。

ボロネーゼ。どこか懐かしい味すら漂ってくる。これぞ万人向けパスタの鏡、というべきもの。

山羊のロースト。ご覧の通り、肉も野菜もそのまんな。焼いただけなのに、しかし炭の香りで少し燻されたような風味が乗り、噛み応えのある山羊肉の味わいに深みが加わっている。そして、秋田だっただろうか、どこその農場からくる野菜も、主張があって悪くない。

デザートを食べ、ロマーノ・レヴィのグラッパまで飲んでしまって、前述のお値段。

私はコスパ抜群と感じた。

 

神谷町に、ポツンと半地下イタリアン。

シンプルな料理が好きな方は、ぜひ。