西麻布という場所にありながら、肩ひじ張らず、リラックスできるお店。
かの「晴山」の兄弟弟子筋にあたる店主による実直な料理は、多くの人にとって嫌う理由が見当たらないだろう。
ここの看板料理がクリームコロッケであるあたりに、フレンドリーな人柄がにじむ。
白青のアスパラガスに毛ガニを合わせた前菜。ジュレやハーブなど、ちょっとシャレてて洋風な感じだが、食べると和食である。
じゅんさいを浮かべたあいなめとトウモロコシの真薯椀。上品だが、もうちょっとじゅんさいを多めにしないと、見た目は寂しい。
造りは、ウニ、マコガレイ、アオリイカ。良い物を使っているが、3種ともこの時期は他店とかぶりやすいのがやや難点か。
小ぶりの鮎をカラカラに焼き上げたもの。ちょっと干物感覚で、味が詰まっていて、これはこれでなかなか。
アワビのグツグツ肝ソース・リゾット。「晴山」のウニとご飯を投入するスタイルの向こうを張る一品。出来立ては400℃くらいありそうで、どれだけフーフーしても口は火傷する。
地鶏の塩焼きに鮮度の良い実山椒。普通に美味い。
初夏のクリームコロッケは、車エビ入り。白ワインが進むアテである。
丸茄子とハタの葛あんかけ。あっさり、すっきりとした後口になる炊き合わせ。
個室もあって、使い勝手も良い。
西麻布で店選びに困ったら、おススメである。