料理オタクの店 クロディーノ 銀座 | 御食事手帖

御食事手帖

主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

世の中的には、「名ソムリエの店」で知られているだろう。

一説によれば、オーナー氏は「日本で最もアンリ・ジャイエを開けたソムリエ」なのだとか。

イタリアに偏らず、フランスをはじめ、様々なワイン産地に造詣が深い。

そんなオーナー・ソムリエを支えるのが、料理オタクのシェフなんだそうで。

とにかく研究熱心で、料理一筋。だから、オーナーも干渉する必要がないという。

 

相互不可侵で、それぞれの持ち味を活かす――、できそうでなかなかできない厨房とサービスの関係性である。

 

5月27日より営業再開。

 

以下は春先のコース料理。

 

アミューズで出てきた、新潟産青首鴨のガランティーヌ、金柑のコンポート添え。完成度は高く、もはや前菜の域である。鴨のオレンジ煮というクラシック料理があるが、それの野鴨版を洗練させた感じ。

鰻のロトロ、マントバ風。鰻にハーブや玉ねぎを巻き込んで酸味を効かせた料理。マントバはロンバルディア州・スペリオーレ湖に面した街。川魚の料理が色々あるのだろう。そのマントバも、コロナ禍に苦しめられた町の一つだ。一日も早い息災を祈る。

イチボの叩きに2種のラディッキオ、パルミジャーノとトリュフをかけたもの。ラディッキオは苦みと歯触りがそれぞれ異なり、面白い。

蛤と空豆のパスタ。抜群にうまい。空豆が煮崩れて、蛤のエキスを含み、それがソースになってパスタに絡む。不味いわけがない。

ハンガリー産のウサギ肉、ズッキーニにモッツァレラのタリヤン。このあたりが、料理オタクの本領だろうか。凝った味の構成で、なかなかの努力作。

仏産鳩のロースト、内臓のソース。パンチェッタでコクを加えていて、なかなかパンチがある。

 

銀座3丁目という立地だけに、それなりの値段はするが、一食の価値はあると思う。