2011年組――。
そんな呼び名があるかどうかは知らないが、あの大震災があった2011年に飲食店をオープンさせた人たちは、横のつながりが意外と強い、らしい。
このブログでも良く取り上げた四谷三丁目の店もその内の1軒だが、ワンオペの限界を感じて店を閉じ、雇われの人に。
他にも同様の店を知っている。
逆に、今も元気に店を続けている人たちも。
この「晴山」も2011年組。その中でも、最も成功した店といっても良いだろう。
来年で10年。店主はどうするのだろうか。このままの路線を続けるのか、それとも・・・。
何かを暗示するかのように、この夜のスタッフは、全員、調理帽を被らずに営業していた。
すったかぶらを葛で寄せた、寄せかぶらに長万部の北寄貝。冬から春へ向かう前菜。
車エビとフカヒレの真薯椀。鰹が立った吸い地で、少しえぐみを感じるが、車エビの甘みは引き立つ。
造りは河豚。各部位をアンキモと混ぜ合わせて食す。
うなぎとわらびの飯蒸し。とろけるように蒸し上げたうなぎと、もち米、それにねっとりねばるわらびのコントラスト。
この時期の定番、飛騨牛の筍巻。肉はやや火が通りすぎか。
河豚の付け焼き。京都の「鈴江」が強烈だったため、河豚ではあまりテンションが上がらず。
子持ちの白魚にカラスミパウダー。酒がすすむ。
松葉蟹とレンコン饅頭。冬のなごりを感じさせる一品。
シラスと筍の炊き込みご飯。一気に春モードのご飯。
黄身醤油をたらして食べる。うまいに決まっている。
所々、どこか気の抜けた料理があるような気がしないでもなかった一夜であった。