香港などの本場と違って、ホテル内の中華料理が発達しない東京。
万人受けを求められるため、特色が出せないというジレンマがあるのだろう。
そんな中、意外にそれなりに広東料理を追求している感じがしたのが、この「センス」。
有名店だから、改めて説明する必要はないだろう。
ホテル37階の眺望も加わって、かなりお高くつくが、それなりの食後感であった。
コースは、魚と肉の料理が選べる「YUI YON YON」というのを選択。
夜景に見とれてしまい、最初の北京ダックを撮り忘れ。
残念ながら、中国飯店系に劣る味だった。
アワビの冷製、海鮮コラーゲンと肝のジュレ。両サイドはクラゲの頭と足の食べ比べ。
小さなアワビだったが、ジュレがそれなりの味わい。
日本で初めて飲む、 佛跳牆 。坊さんぶっ飛びスープである。
キヌガサ茸、ナマコ、すっぽん、アワビ、烏骨鶏など。旨みの連立方程式でおいしいのだが、どこか重さを感じるスープであった。
選べる海鮮は、車エビと春雨の土鍋煮を選択。ご飯が欲しくなる一品。
肉は、名物の鳩の香り揚げを選択。「サエキ飯店」などと比べると、いたって無難だが、おいしい。
上海蟹と豆腐の土鍋煮込み。やさしい味付けで、わずかばかりの蟹の風味がちゃんと活かされていた。
タラバガニと東星ハタの翡翠炒飯。これは誠においしい。上の干し貝柱をほぐして揚げたものがアクセント。
ホウレンソウのエキスを吸わせた米も、丁度良いパラパラ感。
ワインのペアリングもなかなかで、意外に高くない。
勝負デートで、食後はバーに流れて、ジャズの生演奏でムードを盛り上げて決着をつける、といったシナリオを描きたい男性には大変おススメの店である。