何度も書いてきたように思うが、それでも改めて言いたい。
この「ラシェット・ブランシュ」は、料理の質と料金を考えた時に、東京最強ではないだろうか。
1位とは言わないが、トップクラスの中でも、指折りだと思う。
見た目は、全然「映え」ない。
だが、食べてみると、その研ぎ澄まされた良質な味わいがじわじわと攻め寄ってくる。
無駄がない分、味の本質が純粋に伝わってくる。
それなのに、高いだけの他店とは全く違う料金設定。
シェフを拝みたくなる店だ。
フォアグラのテリーヌ。これがフォアグラだ、と言わんばかりの丁寧で実直な造り。
白アスパラとホタテのポアレ。半生の貝柱とアスパラが持つ自然の甘みをフルに引き出している。
ラングスティーヌのリゾット。イタリア料理屋をしのぐ完成度。
シストロン産子羊のロースト。子羊の風味を最大限活かしている。
ここまで見てきたとおり、見てくれは主として茶色ばかり。インスタ映えを全く狙っていないとしか思えない。
デザートで一気に原色。春の人気デザート、ベリーのタルト。
フランス料理が本当に分かる人向けの店である。