ミシュランガイドにおける2つ星レストランの基準。
「遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理」である。
浅草の「オマージュ」も日本のガイドでは2つ星だそうな。
確かに料理もまずまずではあるが、フランスの2つ星と比べると、かなり差があるような。
しかし、値段の方は、立派な2つ星クラス。
内装やサービスの方は、人によって意見が分かれるところだろうが、これも本場のそれとは開きがあると思う。
どうでもいいことだが、この店は有料でのワインの持ち込みを頑なに拒否している。
思い起こしてみると、持ち込み禁止の店の多くは、マダムが個性的な場合が多いような気がする。
麻布十番の「グリ・グリ」、鎌倉の「ミッシェル・ナガシマ」、東銀座の「イバイア」・・・、どんどん出てくる。
きっと、ワインの利幅を大きく設定しているから、持ち込まれたら損をする、と考えているのだろう。
しかし、だ。
狭い日本の飲食店で、大量のワインをストックするのは不可能。長熟の優れたワインを自家熟成させるには、コストがかかりすぎる。
店よりもよっぽど上をいくセラーを持った客は、いっぱいいるのだから、ハイエンドなワインに関しては、客に任せた方が合理的だと思う。
飲み頃にはまだ早すぎたり、ただ古いだけの高級ワインを必死にリストに並べている店をみると、こちらが気の毒になってしまう。
フィンガー・フード、いろいろ。最後のはレンズ豆とブーダン・ノワール。
トマトのタルタルにモッツァレラのムース、トリュフ入りの飴をのせたもの。奥はトマトのエキスにパクチーオイルをふったもの。
モダンなようではあるが、あまり驚きはない。
別注の厚岸のウニ、シャンパンジュレにニンジンムース。とても小さいが2000円アップ。
トリュフ風味のユリ根。
お箸も出てきて、浅草感が増す。
アマダイの松笠。黄蕪とトリュフ、白子の泡。無難においしい。
玉ねぎのカルボナーラ。とても濃厚な味わい。
フォアグラにいぶりがっこ、ネギねたに味噌、リュバルブの料理。意欲作ではある。
尾長鴨の肝のムースのシャルトルーズ、ビーツの出汁。「ラチュレ」のが強烈だったので、弱い印象。
牛サーロイン。イワシものっている。
以上だが、最安値クラスのワインを2本の飲んで、別注のウニも食べたせいで、3つ星クラスの支払いとなってしまった。
浅草は、やはり観光地なんだな、と納得した一夜であった。