今、乗りに乗っているフレンチシェフの一人が、「ル・スプートニク」の高橋さんだろう。
とにかく、いつ行っても、発見と驚きがある。
多くの店は驚き先行で、味は二の次になってしまいがちだが、ここの料理はじっくり味わって旨いものが、特に後半続く。
とりわけ冬の充実ぶりには目をみはるものがある。
1週間熟成のアマダイのアミューズ。ねっとりと味が詰まって、意味がある熟成。
聖護院かぶらのコンソメ。香りも味もたっていて、これは驚く。
フォアグラフランにセルリアックのムース、セルリアックのジュレ、はちみつリンゴ。さっぱりしそうな見た目だが、味は濃厚。
白子とユリ根のスープ仕立て。滋味あり。
いつものフリット。
フュメした寒ブリ。わさび菜の瞬間冷凍とかぶやだいこんの酢漬け。現代フレンチ風のブリ大根。
三色人参とイカ。
背子蟹に温玉を入れたもの。ゆずで香りづけ。フレンチなのに、蟹むきをするお弟子さんたちは大変そう。
青首鴨の胸肉、椎茸、フォアグラ、ジビエのミンチにその出汁。トリュフと胡椒で香りづけ。
前菜の位置づけなのだろうが、メインでも通用する。非常にレベルが高い。
アンコウのブイヤベース風ソース。鮟肝と岩のり、インカの目覚めなど。クセのない身の白いキャンバスに、風味豊かなソースで色彩を加えている一皿。
ヤマウズラ、フォアグラ、キャベツのパイ包み。これぞ王道クラシック。キャベツの水気をちゃんと制御して、パイ生地を最後までおいしく食わせる。ソースも抜群。
北海道の仔鴨。胸の良いところだけを、とどめのメインで。肝のソースがとても奥深い。
イチゴとフヌイユのデザート。
フレンチを食べる楽しさを、これでもかと味あわせてくれる、ここもサービス精神豊かな店である。