噂通りの高レベル 盡 (じん) 銀座 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

各所で噂になっている銀座の和洋融合料理屋。

兵庫・芦屋から、満を持しての東京進出とのこと。

すでに予約至難の店となり、移転戦略の序盤は快進撃中のようだ。

実際食べてみると、店主の食材に対するこだわりと、その活かし方はさすがなもの。和洋に加え、寿司屋でも修行をしたという、様々な経験がものを言っている印象を受ける。

 

これが30代の料理人の舞台。

 

最初に、太刀魚の骨を焼いたものと、ドウマンガニの殻やミソの旨いところで煮出したスープが出てくる。味付けはゲラントの塩だけだそうだが、実に滋味があって、胃に染み入る。

 

和歌山産の太刀魚を米粉と米油で揚げたものに、レモン、玉ねぎ、白バルサミコ酢のソース。太刀魚がふわっふわで驚く。

トウモロコシとフュメ・ブランのフランに、青森・大間のウニをたっぷりのせたもの。ショー・フロアになっていて、温度差が楽しめる。

この後、写真にはないが淡路の立派なイワシに、ゴマとホタテのペーストをのせ、海苔で巻いたものが手渡しで出てくる。

自家製のバターと、生クリームを撹拌した際に出た乳清を練り込んだパン。外はカリカリ、中はもっちりのパンもうまいのだが、バターがまた素晴らしい。何気ない見掛けだが、これまた驚いた。

アナゴと加賀太きゅうりのうざく風。大きなアナゴで、脂乗りも良いが、それを炭火で良く落とし、カリッとさっぱり仕上げている。

一緒に出てきたパンが、またうまい。こちらはホエーではなく、水でこねたもの。

日本料理にパン。やってみると、さほど違和感はない。

対馬ののど黒の炭火焼。大変良質。身から脂とエキスがじわじわこぼれてきて、それをパンでぬぐって食べるとまたうまい。

枝豆、白トウモロコシの冷製スープに、ラトビアのキャビア。

ミキュイで火を通したホタテに、ドウマンガニの身。どちらも抜群に味が濃厚。

パプリカのピュレで合えた冷製カッペリーニ。

目の前で精米した庄内の米を、冒頭の魚ブイヨンなどを入れて炊いたもの。その上には、炭火で焼いた琵琶マス。おこげと魚の皮パリとの、ダブル香ばしい風味。

デザートは、目の前で練って作った吉野葛のくずもち。

 

とにかく、良く勉強していて、努力を惜しまない人だなあ、と感心する。

予約至難のようだが、一度は行ってみる価値はあるだろう。