銀座の高額店らしく、量も少なく、軽い料理が中心となっているような気がする「タテルヨシノ」。
しかし、ここぞという皿では、往時を彷彿とさせるクラシック感たっぷりの料理が出てくる。
今回は、阿寒湖のザリガニ料理がそれ。
素材の良さと、調理法が合致していて、大変感心した。
アミューズ。
キャビアのオマール出汁ゼリー仕立てとアニス風味のフレンチトースト。
活アワビの冷製。アオサのソースと肝のソース、夏トリュフ添え。
白アスパラのムニエル、ソースブールノワゼット。
阿寒湖産エクルヴィスのグラタン、ソースサバイヨン。ザリガニが非常に澄んだ味わいで、クセや臭みがない。ソースの味わいが良く乗っていて、バランスが取れている。フランスで幾度となくザリガニを食ったが、このピュアさは初めて。
マナガツオの低音調理グリエ、グリーンピースのピュレ、レモン風味のソース。
しっとりと火が入り、脂がのったマナガツオが大変美味。
テット・ド・コションの海亀風。子牛の頭の頃とは、香辛料の使い方などは全然違っていると思うが、しかし何度食べても飽きない。
安くはないが、払っただけの多幸感は得られる店だ。