5000円のコースで、これだけ充実しているイタリアンを、私は他に知らない。
皿数や量も満足で、しかも安かろう悪かろうでないところがすごい。
真名瀬港至近の、海の目の前。こういうロケーションの店は、えてして見映えばかりで、中身が伴わない場合が多い。
しかし、この「レッセンツァ」は、むしろ逆だ。
派手さはないが、質実剛健。無駄を排して、実を取る。
余計なことはしないスタイル。
料理だけでなく、内装などにも考え方が反映されている。
宮城の牡蠣。大きいがすっきりした味わい。ミルキーな方向ではなく、海のミネラルを感じる。
シマアジのカルパッチョ、サラダ仕立て。パラり、からすみが効いている。
トリッパの白煮込み。トマトを使わない分、ストレートにハチノスの持ち味を感じられる。
万願寺も良いアイデア。
キノコたっぷりの手打ちパスタ。飾り気はないが、とてもうまい。
鰆やアサリ、イカなどのアクアパッツァ風。
神奈川の豚の煮込み。すごいポーション。これもシンプルに煮あげてある。
蝦夷鹿のボロネーゼ。完成度が高く、味が凝縮されていて、とてもうまい。
メインの後の締めパスタがこれだと、トドメを刺された気分になる。
ちなみに、この5000円のコース、パスタは選べるのでご安心を。
これだけ食って5000円だと、申し訳ない気がしないでもない。
観光客が減る冬場にこそ、おススメの一軒。