それゆえ、ふらっと行っても入れない「蕎麦恵土」。
昼のアラカルトが楽しいのだが、予約をするとコースにされてしまう。
そんな事情もあり、すっかり足が遠のいていた。
久々、しかも夜に行ってみたが、相変わらず丁寧で飾らぬ料理を堪能できた。
古民家がウリの店だが、夜だったので写真なし。以前のものをご覧あれ。
http://ameblo.jp/jinsei-j-blog/entry-11068338989.html

初手には、温かい茶わん蒸し。ソバの実入りの餡をかけ、あおさで春の海の香りをつけている。
ほっとする味。

春野菜の炊き合わせ。わらび、うるいなど火通しに差のある山菜を上手に炊いている。
素朴ながら雑味のない出汁もなかなか。

ご自慢の蕎麦味噌。甘すぎず、香ばしく、薫り高い。

定番の点心。家庭的なようで、家では食べられないレベル。
白魚、葉わさび、カマスの蕎麦鮨など、春らしさ満載。

食べるお椀。鯛の子とサクラエビ、それにタケノコ、新わかめがたっぷり。
東京の料理屋ではなかなか出てこないが、野暮ったいようで、食べるとうまい。
変にすました若竹椀なんかより、ずっといい。

天ぷらは、めごちとこしあぶらなど。専門店のトップクラスと比べると気の毒だが、蕎麦屋としては非常に高いレベル。
せいろは撮影忘れ。
相変わらず瑞々しく、ピュアで斬れがよい蕎麦であった。
個人的には、ここのにしんそばが大好きなのだが、シーズンは過ぎたし、そもそもコースでは出てこない。
最後の蕎麦は選べるようにしてほしいものだ。
美人の女将さんの美貌も変わらず。
遠からず、昼酒を飲みに行きたいものだ。