




フレンチ焼鳥、というと普通はブレス産の鶏だのドンブ産のウズラだの、仔羊だのを前面に押し出す場合が多いですが、ここは国産の鶏と軍鶏がウリの店。
状態の悪い輸入冷凍肉を焼くよりも、新鮮な鶏を使った方がいいということなのでしょう。理にかなっています。
その分、たれというかソースにこだわっていて、きちんと差別化が図られています。
初めて、ということでコースを注文しました。

前菜盛り合わせ。
ブリのカルパッチョ、水だこのマリネ、カプレーゼに生ハムと、割に盛りだくさん。
加えて、これ。

ロシア産キャビアを温玉にのせたもの。
料金を考えると、まあ、何というか、無理しなくてもいいよ、と言ってあげたいクオリティー。
ただ、見た目の華がありますので、若い女の子なんかにはウケるでしょう。

続いて、焼き野菜の盛り合わせ。バーニャガウダ風のソースです。
椎茸がとても味が濃くて驚きました。その他の根菜なども、きちんと甘みや土の香りがあって、質は悪くありません。

お店自慢の一品、フォアグラの肉じゃが。
ゴロゴロと四角く切ったフォアグラ、ジャガイモ、玉ねぎをバルサミコの効いた煮汁で炊いています。発想として努力賞もの。

こちらは軍鶏の胸肉とぼんじり。
ともすればパサつきがちな胸肉ですが、これは弾力がしっかりあって、噛むと程よい肉汁がにじみます。レモンソースが、濃いめのシャルドネと良く合いました。
ぼんじりは、脂に臭みがなく、カリッと香ばしく焼き上がっていました。

こちらは、古白鶏レバー串と鴨肉。
レバーは赤ワインソースでした。

ごまと黒糖などで味をつけたせせりが大変美味。

このハツも結構でした。噛むと中から熱い肉汁がジュワッときました。
絶賛するほどでもないかもしれませんが、食べていて腹の立つものは出てきませんでした。
そんなに安くはありませんが、食材の質もケチっていないので、割高ではないと思います。
再訪してもいいかな、と思わぬでもありません。