積丹半島うに三昧 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

先日から続けている北海道シリーズ。
目的地は、積丹半島でした。


札幌からそう遠くありませんが、夏場の週末となると道が大渋滞。
小樽からの道程は結構大変でした。

しかし、さすがは「積丹ブルー」なる言葉もあるほどの海。
山がちな地形と相まって、大変美しい風景が広がります。

積丹とは、アイヌ語で「夏の村」を意味する言葉が語源なんだとか。
神威(カムイ)岬を筆頭に、奇岩がいろいろあって、それらが信仰の対象となっています。

その蒼き海の中には・・・、うに!
夏の村の味覚の筆頭は、なんといってもキタムラサキうに。
6月からが漁期で、今が旬です。


美国港のすぐ近くにある旅館「美国観光ハウス」の晩飯。
まずは、どーんとウニ&アワビです。
アワビの水貝はまあどうでもいいとして、ウニはさすがなものでした。

食べても食べても減らないウニ。
口に含むと、まず海水のしょっぱさ。続いて、じゅわーっと広がる甘み。
これがとても抑え目で品が良く、混じり気がありません。
口の中でジュブっとつぶすと、液体となって喉に滑り落ちていきます。
みょうばんのような突っかかる嫌味が全くありません。いくら食べても、飽きない、疲れない。
去年の夏に行った壱岐のムラサキウニとは、また違った優しさと滑らかさが印象的です。


美国の宿、ひたすら魚介攻めです。
ヒラメの昆布締め、ソイ、ボタンエビ、本鱒、ホタテ。本マグロもありました。


前菜いろいろ。
魚介のジュレ、甘エビと真ツブの塩ウニソース和え、魚のネギ味噌焼き、新玉ねぎとアワビの肝煮。
地の果てみたいなところの宿にしては、大変洗練されています。
酒が飲めることといったらありません。持ち込んだゼクトやリースリングがポンポン空いていきます。


こちらは、冷製ウニの卵寄せ。
見た目は卵豆腐ですが、下にはウニがごっそり。


カスベの唐揚げ。アツアツに揚げたゼラチン質の身が、口の中でにゅるんとします。


魚介の宝楽焼き。
あわびのタレ焼き、ボタンエビ、ホタテ、ツブ貝。
どれも新鮮でブリブリとした食感。


とどめはもちろん、ウニごはん。汁はヘラカニの味噌スープ。これがまた濃厚な味わいで。

ウニだけ目当てで訪れた宿でしたが、脇役たちも大変充実。
宿は清潔ですけどしょぼく、風呂トイレが別だったり、浴場がちんけだったりで、決して豪華ではありません。
ここは、ただひたすらに魚介を食らうためだけの宿です。
そう心して行く方には、強くおススメします。
まさに、旅の目的としてわざわざ行く価値のある宿、と言って良いでしょう。