コロニラ・ヴィアンド・エ・レギューム 銀座 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

内装がメルヘンチックな、世俗的フレンチ風レストランです。コンセプトは中途半端ですが、銀座としては安い。料理もさることながら、ワインは特に割安です。素晴らしくはないけど、腹も立たないステーキに我慢ができるなら、リーズナブルなお店です。
★★★☆☆


銀座一丁目、プランタンの裏あたりにある、子ども騙しな飲食店が寄せ集まったビルの一角。
本来ならば足を踏み入れない場所です。
が、誰だか忘れましたが結構褒めていたのを思い出し、予約を入れてしまいました。

安普請な自動ドアにもびっくりでしたが、内装にもいよいよびっくり。
色使いが、めちゃめちゃ乙女チックで、実に気色悪い。

要するに、今の東京でもっとも消費行動が盛んな、肉好きの若い女性たち(ニクージョというんですか?)をターゲットにしたお店のようです。
ニクージョに恨みはないですが、ブログやグルメ誌の記事をみていると、日本語力も料理の知識も、どうも怪しげな人たちが多いように思われます。

それはともかく、えらい店に来てしまったな、と後悔しつつ着席。
しかし、メニューと一体になったワインリストをみて、気分一転。
アイテム数は少ないのですが、結構吟味しています。
値段ごとに分かれているのですが、どの価格帯にも「これは」と思うモノが入っています。
総じていうと、小売りの2倍はとってない印象。立派です。

初回の訪問では、「コロニラ・ディナー・コース」5800円を注文。

黒と緑のオリーブや印象に残らないアミューズが出た後、まずはトウモロコシのスープが登場。
不味くはありません。が、季節感とかは二の次のようです。

続いて、「当店オリジナル」と銘打った肉のテリーヌが登場。
別にオリジナルと威張る必要がない、どこでも出てきそうなパテです。
肉とクレピネットがなじんでおらず、火入れが上手にできていない感じがしました。
オリジナルというからには、要改良かと思われます。

全く印象に残らないスズキを使った魚料理が出た後、メインにはご自慢の熟成牛。
4週間熟成した黒毛和牛のステーキ、とのことですが、そんなに熟成感はありませんでした。
サシが多く、脂が結構重かったですが、ポーションが小さいので許容できる範囲。
銀座でこの値段なら、むしろ大健闘というべきでしょうね。

デザートの「コロニラのチーズ・ケーキ・ブリュレ」というのも、どこかちょっとハズしている感じがするのですが、しかしニクージョにはこういうのがウケるのでしょうね。

サービスは発展途上で、客の様子を察しながら臨機応変に対応、というレベルには達していません。
料理、内装、サービス、どれをとっても課題が残りますが、値段だけはリーズナブル。
ここも強くおススメしませんが、私はたぶん、ワイン目当てで再訪するでしょう。