行く価値あり「エル・クラブ・アジャルド」 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

マドリードは、他の欧州主要都市に比べて、情報が少ない街です。

本屋へ行っても、役に立ちそうなものは見当たりません。どれも「地球の歩き方」レベルです。
特に、食に関しての情報は乏しい。
わずかに「CREA TRAVELLER」が、少しばかりの特集を組んでいたくらいです。

愚かな私は、すでに書いたように「サンセローニ」とリッツの「ゴヤ」で敗北を喫しました。
情報戦に負けた、と言えるでしょう。無念です。
が、最後にたずねた1軒で、割と楽しい思いをしました。
「エル・クラブ・アジャルド」という、ミシュラン2つ星のレストランです。
少量多皿コースで、サプライズ的演出をするあたりは、少しエルブジっぽいですが、食べてみるとなかなかイケてました。


この店、外看板がないため、迷います。
21時前に着きましたが、店内に入れてもらえない客が、建物のエントランスにひしめきあっていました。


内装はこんな感じ。愛想のないモダン風。



まずはうやうやしくピンセットでつまんでメニューが出てきました。
ナッツのディップと一緒に。
これに何を付けて食べるのやら、と思案しておりましたところ・・・。


何と「メニュー」を食べろ、ということでした。
じゃがいもでできた紙なのだとか。
メリーさんの羊じゃあるまいし、と思いつつ、大笑いしながら「紙」をかじりました。


続いて、もくもくと白い煙が沸いて出てくる木箱が登場。
海藻を敷いた上に、ソフトシェルクラブのフライを並べた料理。
各種のスパイスが効いていて、なかなかおいしく、見ても楽しい前菜。


こちらは、鳩のムースにトリュフをまぶして「トリュフ」に擬したもの。
茶色いのはパウダー状のフォアグラ。
ちまちましていますが、味はいい。料理として、手数がかかっています。


これは、キャビアを葉っぱ状に固めたものに、キャビアをのせたもの。
下の白いコースターのようなものは、再び食べられる紙です。
この紙を二つ折りにし、タコスのように食べてください、とのこと。
トリッキーな料理ですが、キャビアの味は濃厚でした。


続いては、ヤギのチーズをクランベリー状にしたものに、ワサビのマヨネーズを添えたもの。
上には、青のりのカリカリリーフがのっています。
このコース、ところどころ、節度を持って和テイストがしのばされていました。



こちらは、この店風の「オニオンスープ」。
濃厚で温かいスープを、冷たいクリームチーズのアイスにかけて、溶かしながら食べるというもの。
サプライズなしですが、これも玉ねぎの甘みがしっかり伝わり、温度差とも相まって面白い口当たりでした。なにより、猫舌族にはありがたいスープです。

以上がコースの前半でした。
次回、残りをご紹介します。