




時々むしょうに食べたくなる。
私にとっては、そんな感じの店です。
年に1度くらい、ふと思い出して出掛けています。
ブーダンやアンドゥイエット、クネルなどはピカイチの美味さなので、それらが食べたくなると足が向くようなしだい。
お店は小さく、席間も狭いため、接待や込み入った話をする時には使えません。
この店は気楽な相手と、カウンターに陣取って、調理風景を眺めながら食うのが一番でしょう。
他のお客さんの料理を見ると、ついつい「あれにしておけばよかった」「あっちの方がうまそうだな」などと後悔することしばしばですが。
さて、久々訪問のこの夜。
前菜は定番のリヨン風サラダ。
1人ではとても食いきれない量です。苦みのきいた良質のルッコラやパプリカ等を、おしげもなく盛ってくれます。
そこに、レバーのソテー、炒めたラルドン、ニシンのマリネなどを投入。
ビールがすすみます。
2皿目は、仏産白アスパラを茹でたものに、オレンジ風味のサヴァイヨンソースをかけ、サラマンドルで焼き目をつけた料理。
アスパラはやや茹ですぎ感がありましたが、重そうにみえて軽やかなソースはお見事。
メインその1は、ホロホロ鳥のファルシ。これもこの店の定番料理でしょうか。
皮目がパリッ、中がジュワリと肉汁がにじむ上手な焼き方。
ソースも含めて、完成度が高いです。ブルゴーニュが良く合いそうな料理。
メインその2は、軽くフュメした子羊背肉のロースト。
少し火が通りすぎでしたが、南半球の子羊なら燻製は賢い手でしょう。子羊本来の風味を消さないどころか、むしろ引き立てていました。
しかし。
メインに関して言うと、これらの料理よりも、やはり自慢のバベットステーキや、ホホ肉の煮込みあたりを試すべきでしょう。シュークルートもうまそうです。
男ばかりが働くお店で、特にシェフの見た目はイカツいです。
ただ、予約の際の電話の対応などきちんとしていて、たぶん根は良い人でしょう。
時々、ではなくちょいちょいむしょうに食べたくなりそうです。