茶馬燕 (ちゃーまーえん) 藤沢 | 御食事手帖

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主に東京と湘南で食べ歩き、でも美食のためならどこへでも旅するブログ

ウリは四川系のようですが、何でもこなす創作中華の店。藤沢という地では抜きんでた存在かもしれませんが、東京からわざわざ行く価値があるかというと、疑問です。水煮魚や麻婆豆腐はなかなかの力作ですが、他店でも食べられるレベルと言わざるをえません。
★★★☆☆


食べログなどでも評価が高いので、一度確認してみようと常々思っていたお店。
元藤沢市民だったわたくしには、大変懐かしい「関水スポーツ店」(潰れてなかった!)の近くの、雑居ビルの6Fという立地。

こじんまりとした店内ですが、フロアは3人もいます。
しかし、肝心の厨房は1人のようで、混み合うと皿出しは遅くなるようです。
ただ、コースを予約していた私たちには、テンポ良く出してくれました。

あらかじめ予算を伝えて(1万円くらいと言ったが、実際は8千円程度)、「嫌いな物、一切なし。爬虫類でも昆虫でもOK。辛いの大好き」と言って、あとはお任せにしました。

出てきたコースは、前菜8種盛りを含む、全10品。

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こちらが「喜びの八種前菜」。

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タコのパクチーソース。普通においしい。

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香鶏の四川名物「よだれ」鶏」。
これは広尾の「ジャスミン」とだいぶん差があります。
鶏のしっとり感と、香辛料の明度で劣っています。

他に南瓜のアヒル塩卵風味などもありましたが、特筆するほどでもありませんでした。

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海老とアボカド、チーズの春巻き。
「ごちそうさまが、ききたくて」系?栗原はるみとかマロンさんが作りそうな料理です。

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フォアグラのソテー、黒酢とラズベリーのソース。
お店のウリのようですが、これは出てこないで欲しい、と思っていた1品。
黒酢がおいしく、ラズベリーも悪くないのですが、フォアグラの質がひどく、火も通りすぎ。
ハンガリー産でしょうか。中国料理屋で出てくるフォアグラで、美味かった試しがありません。

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ハトのクリスピー揚げ。
写真でも分かるとおり、残念ながらクリスピーではありません。
食感は蒸し焼きっぽい感じ。福臨門の金鶏のような仕上がりだと良かったのですが。
「香港ではハトは良く食べるんですよ」と言われてしまいましたが、「フランスではどこの肉屋でも売ってますよ」としか言い返せませんでした・・・。

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お野菜たちのセイロ蒸し。
干しエビのタレはなかなかの味。ここらで、やっとエンジンがかかってきたか。

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スズキの山椒オイル煮(水煮魚 スイジューユィ)。
ぐらぐらと煮立った状態で出てきました。
これは、実山椒の香りと唐辛子の辛味がスカッとしていて悪くありません。
こういう料理でグイグイ押してくれればよかったのですが。

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定番の麻婆豆腐。
これは花椒の風味が大変清冽で、とてもおいしい。
良かった頃の都ホテル「四川」を思い出しました。
スーッとした辛さが何とも言えません。
いよいよ本領発揮か、と思ったら、もう食事はほぼ終了。

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最後にスープ。しかもすっぽんと乾燥山芋入り。
ご覧の通り、親の仇のようにすっぽんが入ってます。コースの前半に出してくれれば良かったかと思いますね。
でも、ケチケチしない姿勢には、好感が持てます。これだけすっぽんが入ると、出汁はうまいに決まっています。滋味豊か。

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見た目は地味ですが、味は抜群のマンゴープリン。これは秀逸です。

あれこれ言いましたが、店主のポテンシャルは高そうです。
本場を忠実に再現する方向に進んで欲しいものですが、それでは集客に響くのでしょうか。
とにもかくにも、鮮烈な麻婆豆腐がやけに印象的なお店でした。