




魚の仕入れの関係上難しいはずですが、最近は日曜営業の日本料理屋が増えてますね。
ここもその一軒で、結構な繁盛ぶりでした。
カウンターに若い店主と、厨房内にもう一人という陣容ながら、10人以上の客を一気にさばいていました。
日曜ということもあって、客層は近所のなじみ客風が多かったようです。
料理はアラカルトであれこれ注文。

こちらはお通し。
どれもありきたりの味でしたが、ひとつ、さえずりのおろし和えはまずまず。

造りはあれこれ盛り合わせで。
さよりと赤貝、ホタルイカはなかなかの質。いわしもまあまあ。

椀ものは、白アスパラとアワビが椀ダネ。
ここの出汁は、結構甘い。「え?」と思うくらい。狙いなんでしょうか。
タネに合わせて、味を変えているのかと思いましたが、そうでもないようです。

こちらは鴨と筍の椀。基本的に出汁の味は同じでした。
鴨は片栗をはたいて治部煮風にしてました。
すっきりした出汁の方が好みなので、どうもなじめない印象。

菜花と蕨のからし和え。これはゆで加減もよく、味もバランスがとれています。

田ぜりの胡麻和え。これまた大変おいしく、おかわりしてしまいました。
こういう何気ない野菜物は得意なようです。大事なことですね。

おススメの鯛かぶとの酒蒸し。江戸前のものだそうです。
身の味がしっかり定まっていて、締まりもちょうど良かった。
目のまわりのゼラチンは、非常に澄んだ味で、魚の質の良さが伝わってきました。

イイダコと子芋の炊き合わせ。
タコの子は、頭から外して、別に火通ししたようです。丁寧ですね。
味も優しい仕上がりで、店主は若いのにきちんとしてます。

コロッケ。メニューにあったので、思わず頼んでみたら、これまたおいしい。
衣が薄いのがいいです。中のじゃがいもも、程よいトロトロ加減。また食べたい。

和牛と春野菜のすき煮。
もっと濃いめの料理を想像してましたが、実にあっさり。
若竹の肉入りという感じです。牛肉は大変上質ですが、いかんせん、ほんの2切れ。おかわりしたくなりましたが、高いので中止。

締めのご飯は、新生姜の炊き込み。
はまぐりやホタルイカのご飯と同じ値段(1500円)なので、「なにゆえ」と思い、注文。
食べて良く分かりました。
大変結構なお味です。新生姜のやさしい香りが抜群で、炊いた出汁の味も良くマッチしてました。
去年、京都の露庵菊乃井で食べたのよりも上です。
ワインの持ち込みは、抜栓料3000円とやや高め。
ジャン・マルク・モレの「シャサーニュ・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・レ・カイユレ2008」を持っていきました。友人からのいただきもの。
シャサーニュらしい、鉱物的なミネラルはきつくなく、全体にまろやかな造り。やわらかめの酸が食中に程よいです。
食べログには、店主の態度が云々されていましたが、そこそこ気さくで問題ありません。
次回はカウンターでじっくりやりたいものです。