フランスに住んでいた時のことを振り返るたびに、この手の後悔が次々とわき起こります。
〇〇のところに入る言葉の最たるものは、フランス語の勉強。
なんでさぼってばっかりだったんだろう、と自らの怠惰を悔やむばかりです。
飲食に関する後悔のわりと上位にくるのが、「あの頃、なぜもっとシャンパーニュを飲まなかったのだろう」です。
値段の割につまらないもの、人間の作為が入りすぎた傍流のワイン、などなどの先入観のせいで、あまり熱心に買い求めることはありませんでした。
ランスには良く行ったのですが、それは「ボワイエ・クレイエール」で食事することがもっぱらの目的。
シャンパーニュなんて、レストランへ行った時に食前の一杯で十分。
そんな風に小バカにしていたのは、全くもって若気のいたりです。
日本に帰国してから、驚くほど高値で手が出ないシャンパーニュを見かけるたびに、寄せてはかえす後悔の波にもまれます。
今頃になって、遅ればせながら頻繁に飲む習慣がついた泡モノ。
先日の広尾「ジャスミン」には、ロデレール・エステートのレルミタージュ・ロゼ2003年を持ちこんで楽しみました。

ロデレールがカリフォルニアに進出し、本家に劣らぬ品質のスパークリングを作っているとの評判。
アメリカの酒屋からの個人輸入ものですが、お値段は60ドルほど。
値段も本家並ですね。
グラスに注ぐと、桜色がとてもチャーミング。
泡立ちも、キメが細かくなめらか。
香りには、ベリー系と発酵系が混ざります。
一口含んで驚くのは、酸味。
カリフォルニア=南国、というイメージとはおよそかけ離れた、シャープな酸が特徴です。
緯度の高さを感じる味わい、とでもいいましょうか。
本家の素性を受け継いだ飲みごたえがありました。
中華のように、品数が多く、山海の素材が入り乱れる食事には、もってこいでしょう。
ただし、残念ながら日本ではあまり手に入らないようです。
ロゼがこれだけ良い出来だと、白も飲んでみたいものです。
高いので、おいそれとは買えませんが・・・。