




「第4回能登万葉の里マラソン」前日となる土曜の夜に訪問。
6時入店時には、すでにランナー風の客でぎっしりでした。
全くイレギュラーな混雑状況のため、サービスはてんてこ舞い。それでも腹が立たなかったのは、ひとえに味が良かったからでしょう。
地の果てのようなところに、良くもこんな寿司屋があったものです。
兄弟2人で休む間もなく注文をさばいている中、迷惑を承知でツマミをいろいろ注文。

まず、石川では「もみじこ」と呼ぶタラの白子の酢の物。
抜群の鮮度です。白子が口の中でプチュンと弾けます。ほんのり甘い濃厚な味が舌の上を覆う幸せ。
どんぶり一杯食べたいぐらい、美味でした。

刺身はがんど(ブリより一回り小さいやつ)、鯖、えんがわ、タラの昆布じめを注文。
がんども鯖もあっさりめですが、持ち味はしっかりしています。えんがわはお見事。

毛蟹。どこで採れたかしらないけれど、おいしそうだったので注文。実際、おいしい。
地物中心の握りは、2000円台から3150円までの3段階のお任せ。
14貫の3150円を注文。

ひらめはゆずと塩で。
塩とともに噛み締めると、ひらめの風味がしみじみと沸いてきます。

えんがわは煮切りで。醤油の塩分がえんがわの甘みを際立たせます。


地の甘エビと、能登湾名物の赤西貝。
ねっとりと官能的な甘みの海老と、コリカリとした歯ごたえの貝。赤西貝はヨード香たっぷりで、ワインでもいけそうです。



こはだは、やや締めすぎですが、江戸前っぽい仕事です。
鯵は抜群。歯当たりが良く、味がのってます。
がんどは、寿司でもおいしい。



地物ではないですが、うにもトロも良いモノを使ってます。
他、やりいかやタラの昆布じめなど、合わせて14貫で3150円は、客が恐縮してしまう価格設定です。
旬の地のモノを使っているからこそ、この値段でやれるのでしょうか。
全く驚きです。
金沢で修業したそうですが、小ぶりなサイズであっさりした酢めしの握りは、実に都会的な印象を受けました。
七尾なんて、なかなか行く機会はないでしょう。
しかし、能登空港から1時間弱。氷見はわずか30数キロ。
次回の冬のグルメ旅を計画するなら、このあたりは最高でしょう。
金沢あたりで満足することなく、一足のばして、能登の地魚を満喫すること、おすすめです。